塾の合格実績は「注記」から読む|集計ルールを自分で確かめる4つのポイントと、説明会で聞きたい質問

中学受験の塾選びで、多くの家庭が最初に目にするのが、塾のチラシやサイトに大きく書かれた合格者の数です。「◯◯中に△△名合格」という数字を見ると、合格者が多い塾ほど良い塾のように感じます。ですが、その数字が「何を数えた数字なのか」を確かめたことはあるでしょうか。

結論から言うと、塾の合格実績は、塾ごとに集計のルールが違うことがあります。誰を塾生として数えているのか、どのくらいの期間通った生徒を対象にしているのか、提携している塾の生徒を含むのか、講習や模試だけを受けた生徒を含むのか。こうしたルールは、合格者数のページの小さな字、いわゆる「注記」に書かれていることが多いです。合格実績を比べる前に、まずは注記を読み、ルールを確かめることが大切です。

この記事では、注記を読まないと起こる誤解、注記で確かめたい4つのポイント、説明会で聞きたい質問を紹介します。合格者数を割合で見る方法や、数字が大きく見える仕組みについては、関連記事でまとめています。

この記事でわかること

  • 注記を読まないと起こる3つの誤解
  • 注記がない、分かりにくいときは
  • 合格実績のどこを見れば塾の特徴が分かるか

▶ 塾の合格実績は「数」より「率」で見る方法はこちら:大手塾の合格率を徹底解剖

目次

注記を読まないと起こる3つの誤解

注記を読まないと起こる3つの誤解
注記を読まないと起こる3つの誤解

誤解1:数字をそのまま比べてしまう

A塾は合格者100名、B塾は合格者90名。この2つの数字を並べると、A塾の方が実績が良いように見えます。ですが、A塾とB塾で集計のルールが違えば、この比べ方は正しくありません。同じルールで数えた数字どうしでなければ、どちらが多いとは言えないのです。

誤解2:すべて長く通った塾生の数だと思いこむ

合格者数と聞くと、その塾に長く通っていた生徒の数だと思いがちです。ですが、塾によっては、夏期講習や冬期講習だけを受けた生徒、短期の講座だけを受けた生徒、模試だけを受けた生徒を含めて数えている場合があります。

誤解3:近くの校舎の数だと思いこむ

チラシに書かれた合格者数は、多くの場合、塾全体の合計です。さらに、提携している塾や、同じ教材を使っている塾の生徒を含めて数えている場合もあります。家の近くの校舎から何人合格しているのかは、全体の数字からは分かりません。

注記で確かめる4つのポイント

注記で確かめる4つのポイント
注記で確かめる4つのポイント

ポイント1:集計の対象

まずは、誰を数えた数字なのかを確かめます。「塾生」とだけ書かれている場合も、注記を読むと、塾生の定義が書かれていることがあります。正規の授業に通っている生徒だけなのか、講習や講座を受けた生徒も含むのか。ここが、数字の意味を大きく左右します。

ポイント2:在籍の期間

次に、どのくらいの期間通った生徒を数えているのかを確かめます。一定の期間以上、継続して在籍した生徒だけを数えている塾もあれば、期間について特に書かれていない塾もあります。在籍期間の条件が書かれていれば、その塾で長く学んだ生徒の結果だと考えやすくなります。

ポイント3:提携塾の扱い

塾の中には、ほかの塾と提携していたり、自社の教材を使う塾のネットワークを持っていたりするところがあります。その場合、合格者数に提携先の塾の生徒が含まれているかどうかを確かめましょう。直営の教室の生徒だけを数えた数字なのか、ネットワーク全体の数字なのかで、意味はまったく変わります。

ポイント4:講習・模試だけの生徒

最後に、講習や模試、短期の講座だけを受けた生徒を含むかどうかを確かめます。中学受験では、ふだんはA塾に通いながら、B塾の講習や志望校別の講座を受ける生徒も少なくありません。その生徒が合格した場合、両方の塾の合格者数に数えられていることもあります。

注記がない、分かりにくいときは

注記がない、または書かれていても分かりにくい場合は、説明会や個別の相談の場で、直接聞いてみましょう。集計のルールをきちんと説明してくれる塾は、数字に対して誠実な姿勢を持っていると考えることもできます。

質問するときは、「この合格者数は、どのような生徒を数えたものですか」「講習だけを受けた生徒は含まれていますか」「この校舎からの合格者は何名ですか」と、具体的に聞くのがコツです。答えにくそうにされたとしても、それ自体が判断の材料になります。

説明会で聞きたい質問

合格実績について、説明会で聞いておきたい質問をまとめます。合格者数は、どのような生徒を対象に数えているか。在籍期間の条件はあるか。提携している塾の生徒は含まれているか。講習や模試だけを受けた生徒は含まれているか。この校舎からの合格者数と、校舎の小6の生徒数はどのくらいか。

最後の質問の答えが分かれば、校舎ごとの合格の割合を、自分で計算することもできます。全体の数字より、わが子が通う校舎の数字の方が、塾選びにはずっと役に立ちます。

▶ 塾の合格実績が大きく見える3つの仕組みはこちら:塾の合格実績が大きく見える3つの仕組み|ダブルスクール・教材提携・特待生と、数字より大切な塾選びの視点

合格実績のどこを見れば塾の特徴が分かるか

集計のルールを確かめたうえで、合格実績を塾選びに生かすなら、合格者の多い学校の顔ぶれに注目してみましょう。難関校に強い塾、中堅校まで幅広く合格者を出している塾、公立中高一貫校の対策に力を入れている塾など、合格実績の並び方から、塾が得意とする分野が見えてきます。

わが子の志望校や、目指したい学校のレベルに近い学校で、継続して合格者を出しているかどうかも大切な視点です。1年だけの数字ではなく、数年分を並べて見ると、その塾が安定して対策できている学校が分かります。

よくある質問

Q. 集計のルールが違う塾どうしは、比べられないのですか?

A. そのままの数字では正しく比べられません。校舎ごとの合格者数と生徒数を聞き、割合で比べると、ルールの違いの影響を小さくできます。

Q. 合格実績は塾選びに使わない方がいいですか?

A. 合格実績は、塾がどの学校の対策に力を入れているかを知る手がかりになります。数字だけで決めず、授業の進め方や通いやすさなど、ほかの基準とあわせて使いましょう。

合格実績を比べる前の5つのチェック

  • □ 合格者数のページの注記を読んだ
  • □ 集計の対象と在籍期間を確かめた
  • □ 提携塾や講習生の扱いを確かめた
  • □ 校舎ごとの数字があるか調べた
  • □ 説明会で集計方法を質問した
合格実績を比べる前の5つのチェック
合格実績を比べる前の5つのチェック

まとめ:数字の前に、ルールを確かめる

塾の合格実績は、塾ごとに集計のルールが違うことがあります。比べる前に、合格者数のページの注記を読み、集計の対象、在籍の期間、提携塾の扱い、講習や模試だけの生徒の扱いの4つを確かめましょう。注記がない場合は、説明会で直接聞けば大丈夫です。

気になる塾があれば、まずはサイトの合格者数のページを開き、いちばん下の小さな字を読むところから始めてみてください。

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