塾の合格実績は「数」より「率」で見る|校舎の合格率を自分で計算する3つの手順と、数字の読み方

塾の合格実績は数より率で見る

毎年2月になると、大手塾の合格実績が発表され、校舎の前やホームページに大きな数字が並びます。「◯◯中学に◯◯名合格」という数字を見ると、合格者の多い塾ほどよい塾のように感じてしまうものです。

結論から言うと、塾の合格実績を塾選びや転塾の判断に使うなら、合格者の「数」よりも「率」を見ることが大切です。その校舎に何人の生徒がいて、そのうち何人が志望校に合格したのか。この割合が分かると、校舎ごとの実力をより公平に比べることができます。

この記事でわかること

  • 合格者数だけでは分からない3つのこと
  • 校舎の合格率を自分で計算する3つの手順
  • 合格率を見るときの注意点と、塾選びへの生かし方
目次

合格者数だけでは分からない3つのこと

合格者数だけでは分からない3つのこと
合格者数だけでは分からない3つのこと

1. 校舎の生徒数

生徒の数が多い校舎ほど、難関校に合格する生徒の数も多くなりがちです。1学年に300人いる大きな校舎と、80人の校舎では、同じ合格者数でも意味がまったく違います。合格者数だけを比べると、規模の大きい校舎や塾がどうしても有利に見えてしまいます。

2. 上位層の厚み

最難関校に合格する生徒は、多くの場合、上位クラスの一握りです。生徒が100人でも200人でも、最難関校に合格する生徒の数は、それほど爆発的に増えるわけではありません。生徒数が多い校舎では、母数が大きい分、合格率として見るとかえって低くなる場合もあります。

3. 年ごとのぶれ

合格者数は、年によって大きく変わることがあります。ある年はたまたま優秀な生徒が多く集まった、ということもあります。1年分の数字だけで判断せず、数年分の推移を見ることが大切です。

校舎の合格率を計算する3つの手順

校舎の合格率を計算する3つの手順
校舎の合格率を計算する3つの手順

手順1:学年の人数を聞く

まずは、通う予定の校舎の1学年の人数を確かめます。正確な人数は公表されていないことも多いですが、説明会や面談で「今の小6は何人くらいですか」「クラスはいくつありますか」と聞くと、おおよその規模を教えてもらえることがあります。クラスの数と1クラスの人数が分かれば、学年の人数の目安になります。

手順2:志望校帯の合格者を数える

次に、その校舎から、志望校や志望校に近いレベルの学校に何人合格したかを数えます。塾全体の数字ではなく、校舎ごとの実績を確かめるのがポイントです。校舎の掲示や配布物に、校舎別の実績が載っていることもあります。

手順3:割り算して、数年分を比べる

最後に、合格者数を学年の人数で割って、合格率を出します。たとえば、1学年200人の校舎で、志望校帯の学校に20人が合格していれば、合格率は10%です。1学年80人の校舎で4人なら5%、1学年140人の校舎で3人なら約2%になります。

ここで大切なのは、数字の差をどう受け止めるかです。10%と5%には意味のある差があるかもしれませんが、5%と2%の差は、年によって入れ替わる程度のぶれである可能性もあります。1年分だけで決めず、3年分ほどを並べて、安定しているかどうかを見ましょう。

▶ 延べ人数・母数・推移の読み方はこちら:塾の合格実績の正しい読み方|延べ人数・母数・推移の3点と、志望校選びに使える合格データ【中学受験】

比べ方の具体例

たとえば、家の近くにA塾、B塾、C塾の3つの校舎があるとします。A塾は1学年80人で、志望校帯の学校に4人合格。B塾は1学年200人で20人合格。C塾は1学年140人で3人合格。合格者の数だけを見ると、B塾が圧倒的に強く見えます。

合格率にすると、A塾は5%、B塾は10%、C塾は約2%です。B塾がいちばん高いことは変わりませんが、A塾とC塾の差は、数で見たときほど大きくはありません。さらに、翌年はC塾の方がA塾より多く合格する、ということも十分に起こりえます。こうして数年分を並べてみると、「B塾は毎年安定して高い」「A塾とC塾は年によって入れ替わる」といった傾向が見えてきます。

このように、率で見ると、数だけでは見えなかった校舎ごとの姿が浮かび上がってきます。数字は、塾を選ぶための材料の1つとして、落ち着いて読み解くことが大切です。

合格率を見るときの注意点

延べ人数に注意する

合格実績の数字は、1人の生徒が複数の学校に合格した場合、それぞれの学校で1人として数える「延べ人数」で発表されることが多いと言われます。そのため、合格者数を合計すると、実際の生徒数より多くなることがあります。合格率を計算するときは、志望校1校など、しぼった学校で数えると比べやすくなります。

中堅校向けの塾が難関校に強い年もある

合格率で見ると、意外な結果が出ることもあります。難関校向けとされる塾の校舎より、中堅校向けとされる塾の校舎の方が、ある年の最難関校の実績がよい、ということも起こります。これは、少ない人数の中にたまたま力のある生徒がいた、といった事情によることも多く、1年の結果だけで塾の力を判断しない方がよい理由の1つです。

合格率をどう塾選びに生かすか

合格率は、塾選びや、今の塾を続けるか転塾するかを考えるときの、1つの目安になります。たとえば、先輩たちの代の学年の人数やクラスの数、合格率をもとに、今の子どもの成績からどのくらいの伸びしろがありそうかを考えることができます。

ただし、合格率がいちばん高い校舎が、子どもにとっていちばん合う校舎とは限りません。授業の進め方、先生との相性、通いやすさ、費用など、数字以外のポイントもあわせて考えることが大切です。

▶ 実績以外に見る4つの基準はこちら:塾は合格実績だけで選ばない|数字が膨らむ3つの数え方と、実績以外に見る4つの基準【中学受験】

よくある質問

Q. 校舎の生徒数を教えてもらえない場合はどうすればいいですか?

A. クラスの数と、1クラスのおおよその人数を聞いてみてください。正確な数字でなくても、規模の目安が分かれば、合格者数の見え方は大きく変わります。

Q. 合格率が低い校舎は避けた方がいいですか?

A. 一概には言えません。年によるぶれもありますし、子どもとの相性の方が大切な場合も多いです。合格率は目安の1つとして、ほかのポイントとあわせて判断してください。

合格実績を読む5つのチェック

  • □ 通う予定の校舎の学年の人数を聞いた
  • □ 志望校に近い学校の合格者を数えた
  • □ 合格者数を学年の人数で割った
  • □ 3年分ほどの推移を比べた
  • □ 数字以外の相性も確かめた
合格実績を読む5つのチェック
合格実績を読む5つのチェック

まとめ:合格者の数より、何人中何人かを見る

塾の合格実績は、合格者の数だけでなく、その校舎に何人の生徒がいて、そのうち何人が合格したかという「率」で見ることで、校舎ごとの実力を公平に比べやすくなります。学年の人数を聞き、志望校帯の合格者を数え、割り算して数年分を比べる。この3つの手順で、数字の中身が見えてきます。

まずは次の説明会で、「今の小6は何人くらいですか」と聞いてみるところから始めてみてください。

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