11月に入り、入試まで残り3か月を切りました。第一志望の過去問はひととおり手をつけたけれど、第二志望や併願校はどこまでやればいいのか。そもそも過去問は何年分解けば足りるのか。机に積まれた過去問集を前に、そんなふうに考えている保護者の方は多いと思います。
先に結論を書きます。過去問の年数は、すべての学校で同じにする必要はありません。第一志望は多めに、併願校は出題の形と合格点との距離がわかる分だけ、というように、学校の位置づけで変えるのが基本です。そして年数以上に大切なのが、1年分を「解きっぱなし」にしないことです。
この記事では、学校別の年数の目安、11月から入試直前までの割り振り方、1年分を確実に生かす進め方を、記録表と一緒にまとめます。
過去問は何年分?学校別の目安
過去問を何年分解くかについて、公式な決まりはありません。塾や受験情報サイトでよく言われている目安を、学校の位置づけ別に整理すると次のようになります。
- 第一志望:5〜10年分。できれば2周目まで進め、時間配分まで確かめる
- 第二志望:3〜5年分。出題の形や問題の量に慣れる
- 併願校:2〜3年分。合格点との距離をつかむ
- 前受け校(1月校):1〜2年分。解答用紙の形式と試験時間に慣れる
これはあくまで一般的な目安です。塾から年数の指示が出ている場合は、そちらを優先してください。

第一志望は「2周目」まで見すえる
第一志望は、出題の傾向や問題の量、時間配分を体にしみこませたい学校です。1周目で合格点との距離を測り、2周目では同じ問題を時間内に解き切れるか、見直しの時間を残せるかを確かめます。
市販の過去問集に収録されている年数は限られています。それより古い年度が必要な場合は、学校のホームページで過去の入試問題を公開しているか、塾に古い年度の問題があるかを確かめてみてください。
併願校は「合格点との距離」がわかれば十分
併願校の過去問は、出題の形に慣れることと、合格点にどれくらい届いているかを知ることが目的です。2〜3年分解いて合格点を安定して超えていれば、それ以上年数を増やすより、第一志望や苦手分野の直しに時間を回したほうが効果的です。
反対に、合格点に届かない年がある場合は、年数を足すか、受験校の組み合わせ自体を塾の先生と相談するきっかけにしましょう。
▶ 併願校の組み方は:中学受験 併願校の選び方完全ガイド
過去問が手に入りにくい学校は
新しくできた学校や、入試の形を変えた学校では、過去問の年数がそもそも少ないことがあります。その場合は、学校が公開しているサンプル問題や、説明会で配られた資料を確かめてみてください。
年数が少ない分、1年分をより丁寧に直し、出題の形に近い問題を塾のテキストから探して補うのが現実的です。入試の形が変わった学校では、変わる前の年度を解くときに、今年の形式と違う部分をあらかじめ確かめておくことも大切です。
前受け校は「本番の練習」として
1月の前受け校は、入試本番の雰囲気に慣れる目的で受けることが多い学校です。過去問は1〜2年分で、解答用紙の形式や試験時間を体験しておく程度で構いません。
▶ 前受け受験の考え方は:1月の埼玉・関西入試の合格者数はなぜ大きい?|「前受け」受験の目的と、学校の選び方・日程の組み方
11月から入試までの割り振り方
年数の目安が決まったら、11月から入試直前までの割り振りを決めます。ポイントは、月ごとに「どの学校を解くか」を先に決めておくことです。
11月は、第一志望を週2回ほどのペースで進めながら、併願校を1年分ずつ始めます。12月は、第二志望や併願校を加えつつ、第一志望で落とした分野の解き直しを並行します。1月は前受け校を1〜2年分解き、第一志望の2周目に入ります。
そして入試直前は、新しい年度に手をつけず、これまで解いた問題で時間配分と見直しのやり方を確かめる時期にします。直前に初めての年度で点数が取れないと、気持ちが大きく揺れてしまうからです。

冬期講習や正月特訓が始まると、過去問に使える時間はぐっと減ります。講習の日程を先にカレンダーに書き込み、空いている日に過去問を割り当てていくと、無理のない計画になります。
1年分を3つの段階で終える
年数をこなすことより大切なのが、1年分をきちんと終えることです。1年分は、次の3つの段階で進めます。
① 時間を計って解く
本番と同じ試験時間で、できれば実物大にコピーした解答用紙を使って解きます。時間が足りなかった科目は、どの大問で時間を使いすぎたかをメモしておきます。
▶ 時間が足りないときは:過去問で時間切れになったら(4つの時間メモ)
② 採点して合格点と比べる
採点したら、合格最低点や受験者平均と比べます。合格最低点を公表していない学校もあるので、その場合は塾の先生に目安を聞いてみましょう。
点数だけでなく、「あと何点で届くか」と「その点数をどの問題で取るか」を考えるのがポイントです。
③ 直す問題をしぼる
すべての問題を直そうとすると、1年分に何時間もかかってしまいます。直すのは、正答率が高そうなのに落とした問題、途中まで合っていた問題、次に同じ形が出たら取れそうな問題にしぼります。
解く日と直す日を分けると、子どもの集中力も続きやすくなります。

▶ 過去問の復習の進め方は:過去問の復習を次の一週間へつなげる家庭の進め方
科目ごとの直し方のポイント
直す問題をしぼったら、科目ごとに直し方を少し変えると効率が上がります。
- 算数:大問の前半の小問は、その学校で毎年のように出る基本の形であることが多いので、確実に取れるまで解き直します。後半の難しい小問は、解説で方針だけ確かめれば十分な場合もあります。
- 国語:記述は、採点の基準になりそうな要素が入っているかを解答例と見比べます。選択肢の問題は、選んだ理由と、正解の根拠になる本文の場所を確かめます。
- 理科・社会:落とした問題の分野を書き出し、知識が足りなかったのか、問題文の読み違いだったのかを分けます。知識不足なら、塾のテキストの該当ページに戻ります。
科目ごとに「どこまで直すか」を親子で決めておくと、直しの時間が延びすぎるのを防げます。
解く環境を本番に近づける
過去問は、本番のリハーサルでもあります。休日の午前中、入試と同じ時刻に始めて、科目の間の休み時間も本番に合わせてみてください。
机の上には筆記用具と時計だけを置き、問題用紙と解答用紙の置き場所も決めておきます。こうした小さな習慣が、当日いつもどおりの力を出すことにつながります。
過去問の記録表
1年分を解くたびに、次の項目を1行で記録しておくと、何年分進んだか、合格点との距離が縮まっているかがひと目でわかります。
- 学校名と年度:( )( )年度
- 解いた日/直した日:( / )( / )
- 得点と合格最低点:( )点/( )点
- 時間が足りなかった科目と大問:( )
- 次に直す問題:( )
親が気をつけたいこと
過去問の点数は、年度によって大きく上下します。1年分の結果だけで「もう無理かもしれない」と判断しないことが大切です。3年分ほど並べて、合格点との距離が縮まっているかを見るようにしましょう。
また、点数が悪かった日に問題の間違いを細かく指摘すると、子どもは過去問を嫌がるようになります。まずは時間内に最後まで取り組めたことを認め、直す問題を一緒に選ぶ流れにすると前向きに続けやすくなります。
塾の面談で聞いておきたいこと
過去問の進め方に迷ったら、塾の先生に「第一志望は何年分、併願校は何年分を目安にすればいいですか」「この学校の合格点に届くには、どの分野を優先して直せばいいですか」「直前期に解く年度を残しておいたほうがいいですか」と聞いてみてください。塾ごとに方針が違うこともあるので、家庭の計画と照らし合わせておくと安心です。
よくある質問
Q. 同じ年度を2回解くのは意味がありますか?
A. 第一志望では意味があります。2回目は答えを覚えていることもありますが、時間内に解き切れるか、見直しの時間を残せるか、といった時間配分の練習になります。
Q. 過去問の点数が合格点に届きません。志望校を変えるべきですか?
A. 11月の時点では、まだ届かないことも珍しくありません。1年分の点数ではなく、数年分の推移と、どの分野で点を落としているかを見て判断しましょう。迷うときは、模試の結果とあわせて塾の先生に相談してください。
Q. 午後入試の学校の過去問も必要ですか?
A. 午後入試は試験時間や科目が午前と違うことがあります。受けると決めた学校は、少なくとも1年分は解いて形式に慣れておくと安心です。
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まとめ:年数より「1年分を生かす」
中学受験の過去問は、第一志望は5〜10年分、第二志望は3〜5年分、併願校は2〜3年分、前受け校は1〜2年分が一般的な目安です。ただし年数をそろえることより、月ごとに解く学校を決め、1年分を「解く・合格点と比べる・直す」の3段階で終えることが、入試までの伸びにつながります。
今日できることは、受ける学校を一覧にして、それぞれ何年分解くかを書き込むことです。それだけで、残り3か月の過去問の計画が見えてきます。
過去問の進め方で工夫していることがあれば、ぜひコメントで教えてください。
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