過去問を解いたあと、点数を見て不安になったり、直す問題が多すぎて手が止まったりすることがあります。初めて解く学校の問題なら、なおさら点数は低くなりがちです。
結論から言うと、過去問の復習は「解く日」と「直す日」を分け、答案を4つに分けて直す範囲を決めると続けやすくなります。直すのは「迷った問題」と「時間切れの問題」が中心。届かなかった問題は深追いせず、塾に相談します。そのうえで、合格最低点との差を得点記録表に残していけば、過去問が「合否を決める1回の試験」ではなく、志望校と今の学習をつなぐ材料に変わります。
この記事では、解く日と直す日の分け方、答案の4つの分け方、得点記録表の作り方、教科別の直し方、塾への相談のまとめ方を紹介します。
最初の点数で結論を急がない
初めて解く学校の問題では、時間配分や記述の量、問題の形式に慣れていないので、点数が低く出るのは自然なことです。1回目の点数で「この学校は無理だ」と決めつける必要はありません。同じ学校の過去問を何年分か解くうちに、形式に慣れて点数が上がっていくことはよくあります。
大切なのは、点数そのものより、どこで点を落としたのかを分けて見ることです。できた問題、迷った問題、時間が足りなかった問題を分けると、数字だけでは分からない課題が見えてきます。
解く日と直す日を分ける
過去問を1年分解いた日に、全部を直そうとすると、子どもは疲れきってしまいます。解いた日は、丸つけと得点の記録までにとどめ、直すのは翌日以降、平日の短い時間に回すのがおすすめです。
たとえば、週末に1年分を解き、月曜日に答案を4つに分け、火曜日から木曜日に1日1〜2問ずつ直し、金曜日にもう一度解く、という流れです。こうすると、過去問の復習が1週間の学習の中に自然に組みこまれます。
答案を4つに分けて、直す範囲を決める
丸つけが終わったら、答案の問題を4つに分けます。1つ目は「できた」問題で、なぜ解けたのかを1つだけ書いておきます。2つ目は「迷った」問題で、正解・不正解にかかわらず、解くときに迷ったものです。3つ目は「時間切れ」で、時間があれば解けたかもしれない問題です。4つ目は「届かない」問題で、考え方そのものがまだ身についていないものです。
直す中心は、2つ目と3つ目です。迷った問題は、どこで迷ったのかを確かめて解き直します。時間切れの問題は、解き直しに加えて、解く順番や時間配分を見直します。4つ目の届かない問題は、今の段階で家庭だけで直そうとせず、塾に相談する問題としてまとめておきます。

▶ 時間切れの見直し方はこちらでくわしく:過去問で時間切れになったら ー 小6の秋に親子で確認すべき『4つの時間メモ』ー
得点記録表を作る
過去問を解いたら、得点記録表に書きこんでいきます。記録するのは、年度ごとの教科別と合計の得点、合格最低点との差、大問ごとの得点の3つです。
合格最低点を公表している学校なら、「あと何点か」を年度ごとに書き出します。1回ごとの点数は上下しても、差が少しずつ縮んでいれば、確実に近づいています。大問ごとの得点を記録しておくと、「毎年、算数の大問4で点を落としている」「国語の記述で差がつく」といった、その学校に向けた弱点が見えてきます。

記録表の書き方の例
たとえば、合格最低点が200点の学校で、1回目が172点、2回目が181点、3回目が176点だったとします。点数だけを見ると「3回目で下がった」と感じますが、大問ごとに見ると、算数の大問1と2は3回とも満点に近く、毎回の失点は大問4と国語の記述に集まっている、ということがよくあります。そうなれば、次の1週間でやることは「大問4と同じ型の問題を3題」「記述の書き出しを決める練習」の2つに絞れます。
記録表は、親が整えすぎず、子どもが自分で書きこむ形がおすすめです。数字を書く作業を通じて、自分のどこが伸びていて、どこが止まっているのかを、子ども自身が実感しやすくなります。
教科別の直し方
算数は、解説を読んで分かったら、必ず白紙からもう一度解きます。途中式を省かずに書き、自分の答案と比べて、どこで考え方が分かれたのかを確かめます。
国語は、選択肢の根拠が本文のどこにあるかを確かめ、記述は模範解答と比べて足りなかった要素を1つだけ書き足します。過去問の国語は、学校ごとに記述の量や形式に特徴があるので、その学校の答え方に慣れることも目的の1つです。
理科と社会は、知識が足りなかった問題はテキストに戻り、資料や実験の問題は、どこを見れば答えが分かったのかを問題用紙に書きこみます。学校ごとによく出る単元が分かれば、そこを重点的に復習します。
解き直しは「3日後」と「2週間後」に
解説を読んで分かった問題も、時間がたつと解けなくなっていることがあります。直した問題は、3日後にもう一度白紙から解き、そこで解ければ2週間後にもう一度だけ確かめます。2回とも解ければ、その問題は「身についた」と考えてよいでしょう。
全部の問題で行うと時間が足りなくなるので、対象は「取るべきだったのに落とした問題」に限ります。付せんに解き直す日付を書いて問題用紙に貼っておくと、忘れずに続けやすくなります。
親子の会話は質問から始める
過去問の答案を見たとき、親が先に評価を口にするより、「どこで迷った?」「次は何を先に確かめたい?」と質問から始めると、子どもは自分の言葉で次の行動を選びやすくなります。点数が低くても、「この大問はよく解けているね」と、できたところを1つ伝えてから、直す話に移りましょう。
塾に聞く問題を1枚にまとめる
解説を読んでも分からない問題や、同じ理由で何度も間違える問題は、1枚の紙にまとめて塾に相談します。問題番号と、どこまで考えたかを書き添えておくと、先生も教えやすくなります。
「全部分かりません」ではなく、「この式までは立てられたが、次にどうすればいいか分からない」と具体的に書けると、短い時間でも質問できます。この「どこまで考えたか」を書く作業そのものが、子どもにとってよい振り返りになります。
時間の使い方も答案から振り返る
点数と同じくらい大切なのが、時間の使い方の記録です。問題用紙の大問ごとに、解き始めた時刻を小さく書きこんでおくと、どこで時間をかけすぎたのかが後から分かります。「大問2で12分かかり、最後の大問は手をつけられなかった」と分かれば、次回は「大問2は8分で区切って先に進む」という具体的な作戦が立てられます。
過去問は、その学校の時間の感覚に慣れるための練習でもあります。点数が同じでも、最後まで目を通せた回とそうでない回では、次にやるべきことが変わります。
よくある質問
Q. 過去問は何年分解けばいいですか?
A. 学校や塾の方針によって違いますが、第一志望は5年分以上、併願校は2〜3年分程度を目安にする家庭が多いようです。何年分解くかより、解いた年度をきちんと復習できているかが大切です。
Q. 同じ年度をもう一度解くべきですか?
A. 第一志望の過去問は、時間をおいてもう一度解くのも効果的です。2回目は時間配分や解く順番を意識して解き、1回目との違いを得点記録表で比べてみてください。
Q. 合格最低点を公表していない学校はどうすればいいですか?
A. 塾が持っている情報や、受験者平均点が公表されていればそれを目安にします。どれも分からない場合は、塾の先生に「何点くらいを目標にすればいいですか」と聞いてみてください。
過去問の復習で確かめる5つのチェック
- □ 答案を4つに分けた
- □ 直す問題を5問以内に絞った
- □ 得点記録表に書きこんだ
- □ 白紙から解き直した
- □ 塾に聞く問題を1枚にまとめた

まとめ:全部を直すより、次に使う行動を残す
過去問の復習は、解く日と直す日を分け、答案を4つに分けて直す範囲を決めることから始まります。得点記録表で合格最低点との差を追い、届かない問題は塾に相談する。全部を完璧に直すより、次の1週間で使う行動を1つ残すことを大切にしてください。
次の過去問を解いたら、まず答案を4つに分けるところから始めてみましょう。
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