毎年2月になると、塾の合格者数が発表されます。その中で、1月に行われる埼玉や関西などの学校の合格者数が、とても大きな数字になっていることに驚いた方もいるのではないでしょうか。1つの学校で、塾全体の合格者が数百人、場合によってはそれ以上になることもあります。
その理由の1つが、「前受け」と呼ばれる受験です。東京や神奈川の私立中学の入試は、例年2月1日から始まります。それより前の1月に、埼玉や千葉、関西や地方の学校の入試があり、首都圏の受験生が本番前の経験として受けることが多いのです。また、1回の入試で多くの合格者を出す学校もあります。こうした理由から、1月の入試では塾の合格者数が大きくなりやすくなります。
結論から言うと、前受け受験は、目的をはっきりさせてから学校と日程を選ぶことが大切です。この記事では、前受け受験の目的、学校の選び方、日程の組み方と、合格実績の数字を見るときの注意点を紹介します。なお、入試日程や形式は年度によって変わることがあります。最新の情報は各校の募集要項で確かめてください。
この記事でわかること
- 前受け受験の3つの目的
- 前受けの日の過ごし方
- 前受けの結果が悪かったら
前受け受験の3つの目的

目的1:本番の練習
前受けの大きな目的は、本番の練習です。知らない学校の教室で、知らない受験生に囲まれて試験を受ける。この緊張感は、模試とはまったく違います。2月の本命の前に一度経験しておくと、本番で落ち着いて力を出しやすくなります。
目的2:合格の安心
2月の入試の前に合格をひとつ手にしておくと、子どもも親も、気持ちに余裕が生まれます。「合格がある」という安心感は、本命の入試に向かう大きな支えになります。
目的3:実力の確認
前受けの結果は、本番までの最後の調整を考える材料にもなります。時間配分はうまくいったか、苦手な分野で点を落としていないか。結果を振り返ることで、残りの期間に何を優先するかが見えてきます。
前受け校を選ぶ4ステップ

ステップ1:目的を決める
まずは、前受けの目的を親子で話しましょう。本番の練習が目的なら、無理なく合格できそうな学校を選ぶ。実力を試したいなら、少し難しめの学校を選ぶ。目的によって、選ぶ学校は変わります。
ステップ2:通う可能性も考える
前受けとして受ける学校でも、合格したら通う可能性があるかどうかを考えておきましょう。2月の入試の結果によっては、前受けで合格した学校に進学することもあります。学校の雰囲気や通学時間を確かめ、「ここなら通ってもいい」と思える学校を選ぶと安心です。
ステップ3:移動と体力を考える
会場までの移動時間も大切なポイントです。遠い会場では、朝早く家を出る必要があり、子どもの体力を消耗します。関西や地方の学校の中には、首都圏に試験会場を設けているところもあります。移動の負担が少ない会場を選ぶことも考えましょう。
ステップ4:2月に響かない日程にする
前受けの日程は、2月の本命に響かないように組みましょう。1月にいくつも受けすぎると、子どもが疲れてしまったり、2月の直前に体調を崩したりすることがあります。前受けと本命の間には、休む日や、ふだんの勉強に戻る日を入れておくのがおすすめです。
前受けの日の過ごし方
前受けの当日は、2月の本番と同じ流れで過ごしてみましょう。起きる時間、朝食の内容、持ち物、家を出る時間。本番と同じ準備をしておくと、2月の入試の日に「あの日と同じ」と思えて、落ち着いて過ごせます。お弁当が必要な場合は、本番で持たせたいものを試しておくのもおすすめです。
試験が終わったら、出来を細かく聞きすぎないことも大切です。「おつかれさま」と声をかけ、帰り道は子どもの話したいことを聞いてあげましょう。振り返りは、結果が出てから落ち着いて行えば十分です。
合格実績の数字を見るときの注意
1月の入試の合格者数が大きいのは、前受けとして多くの受験生が受けること、1回の入試で多くの合格者を出す学校があることが理由です。そのため、1月の入試の合格者数は、塾の実力をそのまま表しているとは言えません。
また、塾によって合格者数の集計のルールが違うこともあります。合格実績を塾選びに使うときは、数字の大きさだけでなく、注記に書かれた集計のルールや、わが子の志望校で継続して合格者を出しているかどうかを確かめましょう。
▶ 塾の合格実績を注記から読む方法はこちら:塾の合格実績は「注記」から読む|集計ルールを自分で確かめる4つのポイントと、説明会で聞きたい質問
前受けの結果が悪かったら
前受けで思うような結果が出ないこともあります。そのときは、まずは子どもの気持ちを受け止めましょう。そのうえで、どこで点を落としたのかを一緒に確かめ、2月までに直せることを1つだけ決めます。前受けは、本番のための練習です。結果が悪かったことに気づけたこと自体が、本番に向けた大切な材料になります。
反対に、良い結果が出たときも、気をゆるめすぎないことが大切です。前受けの合格を自信にしながら、2月の本命に向けて、ふだん通りの勉強を続けましょう。
▶ 入試の日に「うまくいかなかった」と言われたらはこちら:入試の日に「うまくいかなかった」と言われたら|翌日の試験に向けて親子で切りかえる夜の過ごし方
よくある質問
Q. 前受けは何校くらい受けるのがいいですか?
A. 家庭によって違いますが、1〜2校にとどめる家庭が多いようです。子どもの体力や気持ちを見て、無理のない数にしましょう。
Q. 前受けで合格した学校に進学することもありますか?
A. あります。2月の入試の結果によっては、前受けで合格した学校が進学先になることもあります。通う可能性を考えて学校を選んでおくと安心です。
前受けを決める前の5つのチェック
- □ 前受けの目的を親子で話した
- □ 合格したら通う可能性を考えた
- □ 会場までの移動時間を確かめた
- □ 2月の本命までに休む日を入れた
- □ 結果が悪かったときの声かけを考えた

まとめ:目的をはっきりさせて、前受けを選ぶ
1月の埼玉や関西などの入試の合格者数が大きいのは、首都圏の受験生が前受けとして受けることが多く、1回の入試で多くの合格者を出す学校もあるからです。前受け受験は、本番の練習、合格の安心、実力の確認という目的をはっきりさせ、通う可能性や移動の負担、2月への影響を考えて選びましょう。
まずは、前受けの目的を親子で話し合うところから始めてみてください。
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