中学受験は「親の受験」とも言われます。中学受験を経験していない私は、最初はこの言葉を少し大げさだと感じていました。ですが、塾の先生の話を聞いたり、自分で調べたりするうちに、親が本気でサポートする覚悟が必要だと感じるようになりました。
同時に強く感じたのが、家庭学習の大切さです。塾に通っているだけで成績が伸びるとはかぎりません。塾の授業を生かせるかどうかは、家庭での学習にかかっている部分が大きいのです。
この記事でわかること
- 塾が教えてくれること、家庭が担うこと
- 親が抱えこみすぎないために
- 低学年のうちに始めたいこと
塾が教えてくれること、家庭が担うこと
中学受験の塾は、受験に必要な知識や、問題を効率よく解くための考え方、志望校の情報など、受験のノウハウを教えてくれる場所です。限られた時間で多くのことを学べるのは、塾ならではのよさです。
一方で、学習の基礎ができていない状態で、短い期間に知識やテクニックを詰めこんでも、成績はなかなか上がりません。読み書き計算の基礎や、毎日勉強する習慣は、塾の授業だけで身につくものではないからです。基礎と家庭学習の習慣がある子ほど、塾の授業を生かしやすいと感じています。
家庭学習の3本柱

柱1:読み・書き・計算の基礎
1つ目の柱は、読み・書き・計算の基礎をしっかり身につけることです。文章を正確に読む力、漢字を正しく書く力、計算を速く正確にする力は、すべての科目の土台になります。塾の難しい問題も、この基礎の上に成り立っています。
基礎の力は、毎日少しずつくり返すことで身についていきます。計算や漢字のドリルを1日数ページ、音読を数分など、短い時間でかまいません。
柱2:毎日の家庭学習の習慣
2つ目の柱は、家庭学習を毎日続ける習慣です。塾の授業で学んだことも、家庭で復習しなければ、なかなか定着しません。決まった時刻に机に向かう習慣があれば、塾の宿題や復習も、無理なく進められます。
▶ 自分から机に向かう子にする時間割の作り方はこちら:自分から机に向かう子にする時間割|夕食前の50分と登校前の朝勉強、「終わりの時刻」を決めて続けたわが家の習慣
柱3:考える力
3つ目の柱は、考える力です。「なぜそうなるのか」「ほかの解き方はないか」と考える力は、中学受験の応用問題に欠かせません。考える力は、家庭での会話からも育てることができます。問題の答えが合っていたときにも、「どうしてそう考えたの?」と聞いてみると、子どもは自分の考えを言葉にする練習になります。
家庭学習を整える4ステップ

ステップ1:塾の授業で学ぶことを知る
まずは、塾の授業でどんなことを学んでいるのかを知りましょう。テキストやカリキュラムに目を通しておくと、家庭で何を復習すればよいかが分かります。
ステップ2:基礎の練習を毎日続ける
計算や漢字など、基礎の練習を毎日の家庭学習に入れます。量は少なくてかまいません。毎日続けることが何より大切です。
ステップ3:家庭学習の時刻を決める
家庭学習を始める時刻を決めて、毎日の生活の中に組みこみます。夕食の前、登校の前など、動かない時刻の前に置くと続けやすくなります。
ステップ4:話しながら考える
丸つけをするときに、答えの理由を子どもに聞いてみましょう。説明できれば理解が深まっていますし、説明できなければ、そこが理解のあいまいなところです。
親が抱えこみすぎないために
家庭学習が大切だからといって、親がすべてを教える必要はありません。親の役割は、子どもが家庭学習を続けられる仕組みを作ることです。勉強する時刻を決める、机のまわりを整える、がんばったことを認める。こうしたことだけでも、家庭学習は大きく変わります。
分からない問題は、塾の先生に質問するように子どもに伝えておきましょう。塾と家庭で役割を分けることで、親も無理なくサポートを続けられます。
塾の授業を家庭で生かす3つの工夫
授業のあった日に、ひと言聞く
塾から帰ってきたら、「今日はどんなことを習ったの?」とひと言聞いてみましょう。習ったことを自分の言葉で話すことは、それだけで復習になります。うまく説明できないところがあれば、そこが理解のあいまいなところです。
復習は授業の翌日までに
授業で学んだことは、時間がたつほど忘れてしまいます。授業の翌日までに、テキストの例題をもう一度解くなど、短い復習の時間をとりましょう。翌日までに一度ふれておくだけで、定着のしかたが変わります。
テストは点数より中身を見る
塾のテストが返ってきたら、点数だけでなく、どの単元で点を落としたのかを見てください。単元ごとに見ると、家庭で取り組むべきことがはっきりします。解き直しをして、分からなかったところをそのままにしないことが大切です。
▶ テスト結果を単元ごとの◎○△で読む方法はこちら:塾のテスト結果は「単元ごとの◎○△」で読む|小1のサマーチャレンジテストで見えた得意・苦手・時間配分と、親子の分析表
低学年のうちに始めたいこと
家庭学習の3本柱は、低学年のうちから少しずつ育てておくと、高学年になって塾の勉強が本格的になったときに大きな力になります。低学年のうちは、難しい問題に取り組むより、読み書き計算の基礎と、毎日机に向かう習慣を大切にしましょう。
よくある質問
Q. 共働きで家庭学習を見る時間がとれません。どうすればいいですか?
A. 毎日長い時間を見る必要はありません。勉強する時刻を決め、終わったものを夜に確かめるだけでも十分です。丸つけを子どもに任せ、間違えたところだけ一緒に見る方法もあります。
Q. 塾の宿題だけで手いっぱいです。基礎の練習まで手が回りません。
A. 塾の宿題の中にも、計算や漢字の練習が含まれていることが多いです。先生に相談して、宿題の量や優先順位を調整してもらうのも一つの方法です。
Q. 親が勉強を教えられない科目は、どうすればいいですか?
A. 親がすべてを教える必要はありません。分からない問題に印をつけておき、塾の先生に質問するよう子どもに伝えましょう。家庭では、続ける仕組みを作ることに力を注げば十分です。
親の関わり方の5つのチェック
- □ 塾の授業で学ぶことを知っている
- □ 計算と漢字を毎日続けている
- □ 家庭学習の時刻が決まっている
- □ 答えの理由を聞くことがある
- □ 親が抱えこみすぎていない

まとめ:塾を生かす土台は、家庭で育てる
中学受験の塾は、受験のノウハウを教えてくれる大切な場所ですが、塾に任せきりでは成績は伸びにくいものです。読み書き計算の基礎、毎日の家庭学習の習慣、考える力の3本柱を、家庭で少しずつ育てていきましょう。
まずは、明日の家庭学習で、答えの理由を子どもに1つ聞いてみるところから始めてみてください。
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