志望校対策の時期になると、塾の宿題の量に追われてしまう家庭は少なくありません。「塾の宿題は全部やらないといけない」と思って、毎晩遅くまで取り組んでいる子もいるでしょう。
けれども、塾の宿題は全部やる必要はありません。大切なのは、塾の先生に相談して、合格に必要な問題を決めることです。この記事では、志望校対策で塾任せにしないための相談の仕方を紹介します。
この記事でわかること
- 苦手の克服が合格への近道
- 塾の宿題は全部やらなくてよい
- 相談した内容を家庭で生かす
苦手の克服が合格への近道
志望校対策では、模試の結果と過去問の答案をもとに、苦手を克服していくことが合格への近道になります。どの単元で点を落としているのか、どの問題なら取れるのかを見きわめることが出発点です。
ただ、親が塾の教材やカリキュラムの中身をすべて理解して、何をやるべきかを判断するのは、実際には難しいものです。そこで、模試や過去問の結果がそろったら、勉強の中身をしぼる作業は塾の先生と一緒に行いましょう。
9月以降は遠慮なく先生に相談する
特に9月以降は、これまで以上に遠慮なく塾の先生に相談することが大切です。入試までの時間が限られてくる中で、取り組む問題をしぼることが、合格に直結するからです。
先生に相談する3つの質問


相談するときは、次の3つを聞いてみてください。
宿題のどの問題をやればよいか
宿題の中で、特に力を入れて取り組むべき問題を教えてもらいます。
過去問で絶対に落とせない問題はどこか
志望校の入試で、合格するために必ず取りたい問題を確認します。
合否に関係ない問題はどこか
難しすぎて多くの受験生が解けない問題など、後回しにしてよい問題を聞いておきます。
この3つが分かると、宿題の取り組み方に無駄がなくなります。
答案に印をつけてから相談する
3つの質問をするときは、事前に過去問や模試の答案に印をつけておくと、話がとても早く進みます。わが家では、次の3色で印をつけるようにしていました。
| 印の色 | 意味 | 先生に聞くこと |
|---|---|---|
| 赤 | 解けるはずなのに間違えた問題 | 同じタイプの問題を宿題のどこで練習すればよいか |
| 青 | 時間があれば解けた問題 | 解く順番や時間配分をどう変えればよいか |
| 黒 | まったく手が出なかった問題 | 合否に関係する問題かどうか |
黒の印がついた問題の中には、合否に関係しない難問が含まれていることがよくあります。それが分かるだけで、子どもも親も「全部できないといけない」という思いから解放されます。
わが家の授業後の相談
わが家の通う塾では、毎週の授業のあとに、保護者向けにその日の授業について説明してもらえる時間があります。【要確認】こうした時間の有無は、塾や校舎、学年によって異なります。
その時間に、その日学んだ単元と子どもの理解度を相談しています。できなかった問題や、理解が浅い問題を、どのような方法で補えばよいかも聞くようにしています。毎週少しずつ相談しておくと、困ったときにも先生に声をかけやすくなります。
塾の宿題は全部やらなくてよい
「塾の宿題は全部こなさないといけない」と思っている保護者の方もいますが、そう考える必要はありません。
塾の宿題は、教科ごとにそれぞれ出されるため、すべてを合わせると量が多くなりやすいものです。全部をこなそうとすると、睡眠時間を削ることになったり、1つ1つの問題が雑になったりしがちです。
家庭で取り組む量を調整しないと、無理が生じますし、時間の無駄にもなってしまいます。塾に相談すれば、宿題のどの部分に力を入れればよいか、見直したほうがよいテキストはどれかを教えてもらえます。
宿題をしぼったときの1週間の例
宿題をしぼると、1週間の時間の使い方が大きく変わります。たとえば、次のようなイメージです(小6の秋の一例です)。
| 曜日 | しぼる前 | しぼったあと |
|---|---|---|
| 平日 | 宿題を全部こなすだけで毎日3時間 | 先生と決めた問題を2時間、苦手の解き直しを30分 |
| 土曜 | たまった宿題の消化 | 過去問1年分と解き直し |
| 日曜 | テストと宿題で終わる | テストの解き直しと、睡眠時間の確保 |
しぼったあとの時間で大切なのは、空いた時間を別の問題集で埋めないことです。苦手の解き直しや睡眠にあてることで、入試までの数か月を元気に走りきれます。
宿題の量を決める4つのステップ


1. 模試と過去問の答案を見直す
まずは、どこで点を落としているかを確認します。
2. 先生に相談する
答案をもとに、3つの質問で取り組む問題を決めます。
3. 教科ごとに量を調整する
決めた問題を中心に、教科ごとに宿題の量をしぼります。
4. 子どもに伝える
最後に、なぜその問題に取り組むのかを子どもに伝えます。
子どもへの伝え方
子どもは最初、宿題を全部やらないことに抵抗を感じるかもしれません。まじめな子ほど、「やらないと怒られる」と心配になります。
そんなときは、「塾の先生が、ここはやらなくていいって言っていたよ」と伝えてみてください。先生の言葉として伝えることで、子どもも親も少しずつ気が楽になっていきます。
▶ 塾を受け身で使わない考え方はこちら:塾を受け身で使わない|「通うだけ」「こなすだけ」から抜け出す、志望校対策の学習サイクル
相談するときに持っていくとよいもの
先生に相談するときは、模試の成績表と、過去問の答案を持っていくと話が早く進みます。答案には、子どもがどこで迷ったのか、どの問題に時間がかかったのかが残っているからです。
あわせて、1週間で宿題にどのくらいの時間がかかっているかをメモしておくと、先生も量の調整を考えやすくなります。「算数の宿題に毎日2時間かかっている」といった具体的な情報があると、どの問題を減らせばよいかの判断がしやすくなります。
相談した内容を家庭で生かす
先生から聞いた内容は、その日のうちにメモしておきましょう。取り組む問題、後回しにしてよい問題、見直すテキストを書き出しておくと、家庭で宿題の計画を立てるときに迷いません。
1〜2週間取り組んでみて、うまくいっているかを確かめ、また先生に相談する。このくり返しで、子どもに合った宿題の量が少しずつ見えてきます。
9月から入試までの相談のタイミング
相談は、困ったときだけでなく、決まったタイミングでしておくと、先生も子どもの変化をつかみやすくなります。
| 時期 | 相談したいこと |
|---|---|
| 9月 | 夏の模試の結果から、宿題のしぼり方を決める |
| 10月 | 過去問の得点の推移を見て、教科ごとの配分を見直す |
| 11月 | 併願校の過去問をいつ、どのくらい解くか |
| 12月 | 直前期に何をやって、何をやらないか |
| 1月 | 体調管理と、入試前日までの過ごし方 |
相談の時間がとれない場合は、聞きたいことを短いメモにして渡すだけでも違います。「この3問のうち、どれを優先すればよいですか」のように、選んでもらう形で聞くと、先生も答えやすくなります。
よくある質問
Q. 先生に相談するのは迷惑になりませんか?
A. 志望校対策の時期の相談は、塾にとっても大切なことです。聞きたいことを3つ程度にしぼっておくと、短い時間でも話が進みます。
Q. 宿題を減らすと、成績が下がりませんか?
A. 合格に必要な問題にしぼって、1つ1つを丁寧に取り組むほうが、力がつくことも多いです。先生と相談しながら進めましょう。
Q. 授業後に相談する時間がない塾ではどうすればよいですか?
A. 面談や電話、連絡帳などで相談できることもあります。塾にどのような方法があるかを確認してみましょう。
Q. 宿題をしぼることを、塾の先生に言いにくいです。
A. 「全部できていないので、優先順位を教えてほしい」という聞き方なら、先生も相談として受け止めてくれます。答案を持っていき、具体的な問題で聞くと話が進みやすくなります。
塾に相談する前の5つのチェック
- □ 模試の結果を手元にそろえた
- □ 過去問の答案を見直した
- □ 宿題にかかっている時間を把握した
- □ 先生に聞きたいことを3つにしぼった
- □ 子どもへの伝え方を考えた


まとめ:宿題は「全部」より「必要な問題」を
志望校対策では、塾の宿題を全部こなすことよりも、合格に必要な問題を見きわめることが大切です。どの単元、どのテキストを最低限確認しておけばよいかを、塾の先生と相談して決めておきましょう。
まずは、模試の結果と過去問の答案を手元にそろえて、先生に聞きたいことを3つ書き出してみてください。
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