てこのつり合い問題の解き方|「重さ×支点からの距離」を表で整理する3ステップ【中学受験理科】

てこのつり合い 重さ×支点からの距離を表で整理する3ステップ

理科の「てこ」は、図を見た瞬間に手が止まりやすい単元です。おもりが1つなら解けるのに、2つ、3つと増えたり、棒そのものに重さがあったり、ばねはかりが2本出てきたりすると、どこから手をつければいいのか分からなくなる。家で問題を見ていて、そんな場面に出会った保護者の方も多いのではないでしょうか。

先に結論を書きます。てこのつり合いのルールは、実は1つだけです。「左に回すはたらき」と「右に回すはたらき」が等しいこと。そして、回すはたらきは「重さ×支点からの距離」で計算します。おもりが増えても、棒に重さがあっても、このルールを表に整理して当てはめれば、同じ手順で解けます。

この記事でわかること

  • てこのつり合いの基本ルール(左右の「回すはたらき」が等しい)
  • 表を使って解く3ステップと、おもりが2つ以上のときの計算例
  • 棒に重さがある問題・ばねはかり2本の問題でのつまずき方と家庭での教え方
目次

てこのつり合いのルールは1つだけ

てこがつり合うのは、支点を中心に「左に回そうとするはたらき」と「右に回そうとするはたらき」が等しいときです。回すはたらきは、おもりの重さに、支点からおもりまでの距離をかけて求めます。

てこのつり合いのルール 左に回すはたらきと右に回すはたらきが等しい
てこのつり合いのルール(計算例は筆者の作例)

たとえば、支点から左に20cmのところに30gのおもり、右に15cmのところにおもりをつるしてつり合わせる問題を考えます。

左に回すはたらき:30×20=600

右に回すはたらき:□×15

つり合うので、□×15=600。□=600÷15=40g です。

ここで大切なのは、「重いほうが下がる」ではなく、「重さ×距離が大きいほうに傾く」と理解することです。30gより40gのほうが重いのに、ちょうどつり合う。この感覚が持てると、てこの問題はぐっと解きやすくなります。

教科書では「支点からの距離」と「おもりの重さ」の関係を実験で確かめますが、入試ではこれを計算で使いこなせるかが問われます。式の意味を言葉で説明できるか、一度子どもに聞いてみてください。

表で解く3ステップ(おもりが2つ以上のとき)

おもりが2つ以上あるときは、表に整理すると迷いません。手順は次の3つです。

おもりが2つ以上のてこを表で解く3ステップの計算例
おもりが2つ以上のてこを表で解く3ステップ(計算例は筆者の作例)

ステップ1:おもりを「左回り」と「右回り」に分けて、表に書き出します。支点より左にあるおもりは左回り、右にあるおもりは右回りです。

ステップ2:それぞれのおもりについて、「重さ×支点からの距離」を1行ずつ計算します。

ステップ3:左回りの合計と右回りの合計を等しいとおいて、わからない数を求めます。

計算例:支点の左30cmに20g、左10cmに10gのおもり。右35cmに何gのおもりをつるせばつり合うでしょうか。

左回り:20×30=600、10×10=100、合計700

右回り:□×35

□×35=700 なので、□=20g です。

表にしておくと、どのおもりを計算し忘れたかがすぐにわかります。また、支点が棒の端にある問題や、上向きに引く力がある問題でも、同じ表の形で整理できます。

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つまずきやすい型①:棒に重さがあるとき

棒に重さがある問題では、「棒の重さがどこにかかるか」を決めるのが最初の一歩です。太さが同じ(一様な)棒なら、棒の重さは棒の真ん中に1つのおもりとしてかかると考えます。

棒に重さがあるときと、ばねはかり2本でつるすときの考え方
棒に重さがあるとき、ばねはかり2本でつるすときの考え方

計算例:長さ100cm、重さ40gの一様な棒を、左端から40cmのところで支えます。左端に何gのおもりをつるせばつり合うでしょうか。

棒の重さ40gは、棒の真ん中(左端から50cm)にかかります。これは支点から右に10cmの位置です。

右回り:40×10=400

左回り:□×40

□×40=400 なので、□=10g です。

子どもがよく間違えるのは、棒の重さを無視してしまうか、棒の端にかかると考えてしまうことです。問題文に「重さ○gの棒」と書いてあったら、図の真ん中に下向きの矢印と重さを書きこむ。これを習慣にするだけで、ミスはかなり減ります。太さが一様でない棒の場合は、問題文に重さがかかる位置(重心)が書かれていることが多いので、その条件にしたがいます。

つまずきやすい型②:ばねはかり2本でつるすとき

棒の両端などをばねはかり2本でつるす問題では、支点が書かれていません。このときは、片方のばねはかりの位置を「支点」とみなして考えます。

計算例:長さ60cmの棒(重さは考えない)の両端を、ばねはかりAとBでつるします。左端から20cmのところに90gのおもりをつるしたとき、AとBはそれぞれ何gを示すでしょうか。

左端のAの位置を支点とみなすと、おもりは支点から右に20cm、Bは支点から右に60cmで、Bは上向きに引いています。

90×20=B×60 なので、B=1800÷60=30g です。

AとBが支える重さの合計は、おもりの90gと等しくなります。したがって、A=90−30=60g です。

ポイントは2つあります。1つは、どちらを支点にしても答えは同じになるので、計算が楽なほうを選ぶこと。もう1つは、最後に「上向きの力の合計=下向きの重さの合計」で確かめること。おもりに近いほうのはかりが大きい値を示す、という感覚とも合っているかを見ておくと、検算になります。

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もう1つの型:支点が棒の端にあるとき

支点が棒の端にあり、反対側を手やばねはかりで上に引く問題もよく出ます。この場合も、ルールは同じです。おもりは下向きに引いて棒を一方に回し、上向きに引く力は反対向きに回します。

計算例:長さ80cmの棒(重さは考えない)の左端を支点にして、左端から30cmのところに40gのおもりをつるします。右端を上向きに何gの力で引けば、棒は水平につり合うでしょうか。

おもりが回すはたらき:40×30=1200

右端で上に引く力が回すはたらき:□×80

□×80=1200 なので、□=15g です。

このとき、支点は残りの40−15=25gを支えています。上向きの力(支点25g+引く力15g)の合計が、下向きの重さ40gと等しくなっていれば正解です。「上向きの合計=下向きの合計」は、どの型でも使える検算の方法として覚えておきましょう。

家庭での教え方:答えより「表」を見る

てこの問題で家庭ができる一番のサポートは、答えが合っているかより、表が書けているかを見ることです。

  • 図に、支点の位置と、それぞれのおもりの距離を書きこんでいるか
  • おもりを左回りと右回りに分けて、表に書き出しているか
  • 棒の重さや、上向きに引く力を書き忘れていないか
  • 最後に「上向きの合計=下向きの合計」で確かめているか

もう1つおすすめなのが、家にあるもので確かめることです。30cmの定規の真ん中に鉛筆を置いて支点にし、同じ硬貨を左右に置いてみます。片側の硬貨を2枚にしたら、もう片側は何cmの位置に1枚置けばつり合うか。計算で出した答えが本当につり合う様子を見ると、式の意味が実感としてわかります。硬貨は同じ種類なら重さがそろっているので、枚数をそのまま重さとして考えられます。

間違えたときは、「どの行が違った?」と表を一緒に見返します。計算ミスなのか、距離の読み間違いなのか、棒の重さを忘れたのかが分かれば、次に直すことが1つに決まります。親が解き方を説明し直すより、子どもが自分の表で間違いを見つけるほうが、次の問題につながります。

書き込み表:てこのつり合い整理表

1問につき1つ。おもりや上向きの力を1行ずつ書き出してください。

向き(左回り・右回り)重さ・力(g)支点からの距離(cm)回すはたらき(重さ×距離)
例:左回り2030600

最後に「左回りの合計=右回りの合計」になっているかを確かめます。

よくある質問

Q1. 「モーメント」という言葉は覚えたほうがいいですか?

A. 塾によっては「モーメント」という言葉を使いますが、意味は「回すはたらき」と同じです。言葉よりも、「重さ×支点からの距離」で計算することと、左右で等しくなればつり合うことを理解していれば十分です。

Q2. 支点にかかる力はどう求めますか?

A. 棒の重さを考えない問題では、支点は下向きの重さの合計を支えています。たとえば30gと40gのおもりでつり合っていれば、支点には70gの力がかかります。棒に重さがある場合は、棒の重さも足します。

Q3. 輪軸や滑車の問題とは別に勉強したほうがいいですか?

A. 輪軸も「重さ×半径」で回すはたらきを考えるので、てこと同じ考え方で解けます。てこの表が書けるようになってから輪軸に進むと、つながりが見えやすくなります。

Q4. 小6の秋からでも間に合いますか?

A. 間に合います。てこは考え方が1つにまとまっている単元なので、表の書き方が身につけば短い期間でも安定しやすいと言われています。志望校の過去問で、てこや輪軸がどのくらい出ているかを確かめ、出題が多ければ1日1問ずつ整理表で解く時間をとりましょう。

まとめ

てこのつり合いのルールは、「左に回すはたらき=右に回すはたらき」の1つだけ。回すはたらきは「重さ×支点からの距離」です。

おもりが増えたら表に書き出し、棒に重さがあれば真ん中に矢印を書き、ばねはかりが2本なら片方を支点とみなす。どの型も、表に整理して同じ手順で解けます。家庭では答えより表を見て、間違えた行を子ども自身に見つけてもらいましょう。

今日できる1つの行動:てこの問題を1問選び、子どもと一緒に整理表を書いてみてください。

てこの問題で、お子さんがつまずいている型はありますか。コメントで教えてください。

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