小6の秋は、過去問、模試、塾の通常授業が重なり、理科と社会の復習が後回しになりがちです。間違えた問題を全部やり直そうとすると時間が足りず、結局どれも中途半端になってしまう。そんな悩みを抱える家庭は多いと思います。
結論から言うと、理科・社会の復習は「量」より「迷った場所」を残すことが大切です。今週の問題から迷ったものを3問だけ選び、迷いを「知識が出なかった」「資料で止まった」「手順で迷った」の3つに分けて、カードに1文で残す。週末30分のこの整理だけで、次に同じ形の問題に出会ったとき、迷わずに手が動くようになります。
この記事でわかること
- 理科・社会で「迷った場所」を3つに分けてカードに書く方法
- 週末30分の進め方と、1週間分のカードの例
- 親子の会話のコツと、志望校対策・暗記との両立
理社の復習は「量」より、迷った場所を見つけること
理科と社会は、単元を一周するだけでは点数に結びつきにくい科目です。問題を解いた直後は分かった気がしても、数日後に同じ資料や用語を前にすると、どこで止まったのか思い出せないことがあります。
そこで役立つのが、正解か不正解かではなく、「迷いの種類」を残す方法です。週末に30分だけ時間を取り、今週の問題から迷ったものを3問まで選びます。3問に絞るのは、見直しを軽くするためです。10問を抱えるより、次の週に必ずもう一度会う3問のほうが、家庭学習として続けやすくなります。
迷いを3つに分けてカードに書く
① 知識が出てこなかった
用語や地名、年号、器具の名前などが思い出せなかった場合です。カードには、思い出せなかった言葉と、それを思い出すための手がかりを1つ書きます。たとえば社会なら「促成栽培:冬でも暖かい地域で、ビニールハウスを使って出荷時期を早める」、理科なら「メスシリンダー:目盛りは液面のへこんだ下の面を真横から読む」のように、使う場面と一緒に書くと記憶に残りやすくなります。
② 資料・図表の読み取りで止まった
グラフ、表、地図、実験の図などをどう読めばよいか分からなかった場合です。このときは、答えを覚え直すのではなく、次に使う「見方」を1文で残します。社会の統計資料なら「最初に単位を見る。%か実数かを確かめる」、理科のグラフなら「横軸と縦軸が何かを先に声に出す」といった具合です。
③ 解く順番や条件の確認で迷った
知識も資料の読み方も分かっていたのに、何から考えればいいか迷った、条件を読み落とした、という場合です。カードには手順を直す1文を書きます。理科の計算なら「式の前に、何を求める問題かを丸で囲む」、社会の記述なら「設問の『理由』『特徴』のどちらを聞いているかに線を引く」のように書きます。


3つに分けると、「覚え直す」「見方を言葉にする」「手順を直す」のどれをすればよいかが自然に決まります。カードは答えの控えではなく、次の自分への短い指示書だと考えてください。
週末30分の進め方
最初の10分で、今週の理科と社会のテスト、問題集、過去問から、「もう一度解いたら迷いそう」な問題を3問選びます。正解した問題でも、迷いながら当たったものは候補に入れて構いません。
次の10分で、それぞれの問題を3つの迷いのどれかに分け、カードに1文ずつ書きます。カードは単語カードでも、ノートの1ページを3つに区切ったものでも構いません。
最後の10分で、カードを見ずに、同じ問題か似た問題を1つだけ解き直します。解けたら、カードの右上に日付を書いておきます。解けなかったら、カードの1文を少し書き直します。


カードは翌週と2週間後にもう一度見る
作ったカードは、翌週の週末と2週間後の週末に、もう一度だけ見返します。そのときに迷わず答えられたカードは、箱やファイルの「卒業」の場所に移します。まだ迷うカードは手元に残し、次の週のカードと一緒に回します。こうすると、手元にあるカードは常に十数枚程度に収まり、復習が散らかりません。
▶ 理科の実験問題の読み方はこちら:中学受験理科の実験問題|条件・結果・理由で読み解く家庭復習の進め方
1週間分のカードの例
イメージしやすいように、1週間分の3枚の例を挙げてみます(説明用の例です)。1枚目は理科の①で、「気孔:葉の裏側に多い。ワセリンを塗った面からは蒸散しない」。2枚目は社会の②で、「雨温図は先に棒グラフを見る。夏と冬のどちらに雨が多いかで太平洋側と日本海側を分ける」。3枚目は理科の③で、「てこの問題は、支点に印をつけてから、左右の『重さ×支点からの距離』を書く」。
どのカードも、答えそのものではなく「次に何をするか」が書かれていることがポイントです。翌週にこのカードを見たとき、子どもが問題を見ずに「次はこうする」と言えれば、そのカードは卒業です。
カードを書くのは、できれば子ども自身に任せてください。親が書いたきれいなカードより、子どもが自分の言葉で書いた少し荒いカードのほうが、見返したときに思い出しやすいものです。字の丁寧さより、何をすればいいかが本人に伝わるかどうかを大切にしましょう。
親子の会話は、評価より質問を先に
結果を見たとき、「ここも間違えたの?」と言いたくなるのは自然なことです。ただ、その一言で子どもが説明を急いだり黙ったりすると、復習の材料が残りません。
最初の一言は、評価ではなく質問にしてみてください。「どこで迷った?」「最初に何を見た?」「次ならどこから見る?」の3つを順番に聞けば十分です。答えがすぐに出なくても、問題文、図、選択肢のどこを見ていたかを一緒にたどるだけで、迷いの種類は分けられます。親は正解を教える係ではなく、子どもが自分の手順を言葉にするための聞き手です。
志望校対策と両立させるコツ
過去問を解き始めると、理社の復習は「志望校の問題」と「塾のテキスト」の2本立てになりがちです。3枚カードは、どちらの問題から選んでも構いません。むしろ、志望校の過去問で迷った問題を優先してカードにすると、学校ごとの出題の癖に合わせた復習になります。
たとえば、資料問題が多い学校なら②のカードが、記述が多い学校なら③のカードが増えていくはずです。カードの種類の偏りを見ると、その学校に向けて何を練習すればいいかが見えてきます。
暗記とカードの使い分け
理科・社会には、どうしても覚えなければならない知識もあります。用語や地名をまとめて覚える作業は、塾のテキストや一問一答の問題集で進め、3枚カードは「迷った問題」に絞って使うのがおすすめです。両方を1つにまとめようとすると、カードの枚数が増えすぎて回らなくなります。
暗記の作業で何度も間違える言葉が出てきたら、そのときだけ①のカードにします。覚え方の工夫を1文添えておくと、ただの単語帳よりも思い出すきっかけが増えます。
よくある質問
Q. 3問では少なすぎませんか?
A. 慣れてきたら5問まで増やしても構いません。ただ、カードを回す時間が増えると続かなくなりやすいので、まずは3問で4週間続けることを目標にしてみてください。
Q. 子どもが迷った場所を思い出せません。
A. 問題を解いた直後に、迷った問題番号の横に小さく「?」をつけておくだけで、週末の選び出しがぐっと楽になります。
Q. 理科と社会で別々にカードを作るべきですか?
A. 最初は一緒で構いません。カードの上に「理」「社」と書いておけば、あとで教科ごとに見返せます。枚数が増えてきたら、ファイルを分けると管理しやすくなります。
理社の復習で確かめる5つのチェック
- □ 今週迷った問題を3問に絞った
- □ 迷いを3つの種類に分けた
- □ カードに「次にすること」を書いた
- □ カードを見ずに1問解き直した
- □ 先週のカードを見返した


小6の11月〜入試直前にこの記事を使うなら
直前期はカードを新しく増やすより、これまでのカードを見返す時間に切り替えてください。「まだ迷う」と感じたカードだけを残し、入試の前日に見る束を1つ作っておくと、最後の確認がぐっと楽になります。
まとめ:迷った場所を、次の指示書に変える
小6秋の理科・社会の復習は、全部をやり直すより、今週迷った3問を選び、迷いの種類に分けてカードに残すほうが、次の得点につながります。週末30分、カードを作って1問解き直し、翌週と2週間後にもう一度見る。この小さな回し方を続けてみてください。
今週末は、理科と社会の問題から「もう一度なら迷いそう」な3問を選ぶところから始めてみましょう。
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