国語の記述問題で手が止まり、白紙のまま答案を出してしまう。そんなとき、親は「もっと本文を読もう」「自分の言葉で書こう」と言いたくなるかもしれません。ただ、空欄になる理由は1つではありません。
結論から言うと、記述の空欄は「問い・根拠・答え方」の3つのどこで止まったかを分けて見ると、直し方がはっきりします。何を答える問いかがあいまいなら設問の要求に丸を、本文のどこを使うか決められないなら根拠の一文に線を、答えの形にまとめられないなら文末の型を。止まった場所に合わせて1つずつ直せば、空欄はぐっと減っていきます。
この記事でわかること
- 国語の記述が空欄になる3つの理由と、それぞれの直し方
- 設問ごとの文末の型と、「本文の言葉+つなぐ言葉」で短く書くコツ
- 部分点を取る考え方と、家庭での声かけ・進め方
空欄を「やる気」の問題にしない
記述が書けない場面を見ると、勉強量や語彙の不足だけを原因にしたくなります。しかし、本文を読んで内容を話せるのに、答案になると止まってしまう子もいます。話す力と、設問の条件に合わせて短く書く力は、同じではありません。
答案を見て「空欄だった」という結果だけで判断せず、どの段階で止まったのかを一緒に確かめることから始めましょう。家庭で目指すのは、採点者の代わりに正解を教えることではなく、子どもが自分で戻れる順番を持つことです。
記述が空欄になる3つの理由
理由1:何を答える問いかが分からない
設問には、理由を聞くもの、気持ちを聞くもの、内容を説明させるもの、変化を聞くものがあります。「なぜ」「どのような気持ち」「本文の言葉を使って」など、要求を表す言葉を読み飛ばすと、何を書けばいいのかが決まりません。
直し方は、要求を表す言葉と、字数や「2つ挙げて」といった条件に丸をつけることです。たとえば「主人公が安心した理由を、本文の言葉を使って答えなさい」なら、探すのは気持ちそのものではなく、安心につながった出来事と、本文にある言葉の両方です。設問の横に「理由/本文の言葉」と小さくメモするだけでも、視線の向きが決まります。
理由2:本文のどこを使うか決められない
答えに使えそうな場所がいくつもあって選べない、あるいはどこにもないように見える、という状態です。直し方は、設問の言葉とつながる一文を本文から探し、線を引くことです。答えがありそうな段落を眺めるのではなく、設問に出てくる言葉と同じ言葉や、似た意味の言葉を探すと、根拠の場所が見つかりやすくなります。
理由を聞く問題なら、出来事の前後を見ます。気持ちを聞く問題なら、会話や行動、表情の描写を見ます。根拠は、多くても2か所くらいに絞ります。
理由3:答えの形に整えられない
材料は見つかっているのに、文にまとめる前に時間が足りなくなる、という状態です。この場合は、次に紹介する文末の型を使います。

設問ごとの文末の型を先に書く
記述の答えは、設問の形に合った文末で終わる必要があります。理由を聞かれたら「〜から。」「〜ため。」、気持ちを聞かれたら「〜という気持ち。」、内容を説明させる問題なら「〜ということ。」、変化を聞かれたら「〜だったが、〜になった。」が基本の形です。
書けない子には、先に解答欄の最後に文末だけを書いてもらう方法がおすすめです。「〜から。」と書いてあれば、その前に何を入れればいいかを考えるだけになり、白紙から書き始めるより、ずっと手が動きやすくなります。

答えは「本文の言葉+つなぐ言葉」で短く
「自分の言葉で書きなさい」と言われると、子どもは本文にない言葉を探して止まってしまいがちです。最初は、線を引いた本文の言葉を使い、それを「〜ので」「〜けれど」「〜によって」といったつなぐ言葉で結ぶだけで十分です。
本文をそのまま長く写すと字数をオーバーしてしまうので、主語と述語、そして設問に関わる部分だけを抜き出します。慣れてきたら、本文の言葉を短い言い方に言い換える練習に進みます。
▶ 気持ちを答える記述は、心情の変化の読み方とセットで:中学受験の国語 物語文の心情の変化を本文から読む家庭復習
例で答えを組み立ててみる
説明のための例です。本文に「試合に負けたあと、黙って帰ろうとした健太に、キャプテンが『最後のパス、よかったぞ』と声をかけた。健太は立ち止まり、少しだけ顔を上げた」とあり、設問が「健太が顔を上げたのはなぜか、説明しなさい」だったとします。
理由1の直し方で、要求は「理由」なので文末は「〜から。」と決めます。理由2の直し方で、根拠の一文は「キャプテンが『最後のパス、よかったぞ』と声をかけた」に線を引きます。理由3の直し方で、文末の前に材料を入れると「試合に負けて落ちこんでいたが、キャプテンに最後のパスをほめられ、自分のプレーが認められたと感じたから。」となります。
この答えのうち、「キャプテンにほめられた」という根拠の言葉が入っているだけでも、部分点につながる可能性があります。そこに「落ちこんでいた」という前の様子、「認められたと感じた」という気持ちを足すと、要素のそろった答えになります。
空欄にしないための部分点の考え方
記述問題は、答えの中に必要な要素がいくつ入っているかで点数がつけられることが多いと言われています。完璧な文でなくても、根拠になる本文の言葉が1つ入っていれば、部分点がもらえる可能性があります。
時間がないときは、まず設問の形に合った文末を書き、その前に線を引いた本文の言葉を1つ入れる。これだけでも、空欄よりずっと得点につながります。「全部書けないなら書かない」ではなく、「1つでも入れて出す」を合言葉にしてみてください。
書いたあとは3つだけ一緒に確かめる
書き終えた答えは、親が全部を直すのではなく、3つだけ確かめます。1つ目は、文末が設問の形に合っているか。2つ目は、根拠になる本文の言葉が入っているか。3つ目は、主語と述語がつながっているか。この3つが合っていれば、表現が少し不格好でも、その答えは認めてあげてください。
家庭での進め方
1問3分の振り返りから始めます。テストや問題集で空欄だった記述を1問選び、最初の1分で設問の要求に丸をつけ、次の1分で根拠の一文に線を引き、最後の1分で文末の型を書いて、その前に本文の言葉を入れます。一度に全部を直そうとせず、止まった理由に合わせて1か所だけ直すのがコツです。
学年や問題の難しさが変わっても、問い・根拠・答え方の順番は同じです。小4・小5のうちは文末の型を中心に、小6になったら根拠を2か所使う記述に挑戦する、というように、少しずつ段階を上げていきましょう。
声かけは、答えを急がせない
親が聞くなら、「答えは分かった?」ではなく、「この問題は何を聞いている?」「何字くらいで書く?」と、設問の要求を聞いてみてください。子どもの説明があいまいなら、本文を読み直す前に設問へ戻ります。正解を言わずに要求を聞くことで、次の問題にも使える確認の習慣になります。
よくある質問
Q. 本文を写すだけでもいいのですか?
A. 最初の段階では、本文の言葉を使うことはむしろ大切です。ただし、設問に関係ない部分まで長く写すと字数が足りなくなります。主語と述語、設問に関わる部分だけを選んで写す練習から始めてください。
Q. 字数が足りない、多すぎるときはどうすればいいですか?
A. 足りないときは、根拠をもう1か所足すか、出来事の説明を少しくわしくします。多すぎるときは、同じことをくり返している部分や、設問に関係のない部分を削ります。
Q. 家で記述の練習をする時間がありません。
A. 新しい問題を増やす必要はありません。テストで空欄だった1問を、1問3分で振り返るだけでも十分です。週に2〜3問続けるだけで、手の止まる場所がはっきりしてきます。
記述問題で確かめる5つのチェック
- □ 設問の要求に丸をつけた
- □ 字数や「本文の言葉で」の条件を見た
- □ 根拠の一文に線を引いた
- □ 文末が設問の形に合っている
- □ 主語と述語がつながっている

小6の11月〜入試直前にこの記事を使うなら
直前期の過去問では、記述を空欄にしないことを最優先にしてください。答えに迷ったら、まず設問に合う文末の型だけを書き、そこに本文の言葉をつなげる。部分点を拾う書き方が身についていれば、本番で手が止まりにくくなります。
まとめ:止まった場所に合わせて、1つずつ直す
国語の記述が空欄になるのは、やる気の問題ではなく、問い・根拠・答え方のどこかで止まっているからです。設問の要求に丸をつけ、根拠の一文に線を引き、文末の型を先に書く。この順番を家庭で練習すれば、白紙の答案は少しずつ減っていきます。
今日の復習では、空欄だった記述を1問選び、解答欄の最後に文末だけを書くところから始めてみてください。
関連記事
- 中学受験の国語 物語文の心情の変化を本文から読む家庭復習
- 中学受験の国語 説明文の図表と本文を結び付ける家庭復習
- 過去問で時間切れになったら ー 小6の秋に親子で確認すべき『4つの時間メモ』ー
- 中学受験 模試の結果を次の1週間へつなげる親子の会話
あわせて読みたい


コメント