中学受験の国語 説明文の図表と本文を結び付ける家庭復習

説明文は読めているのに、図表が付いた問題になると答えがずれる。そんなときは「図表を見た」「本文を読んだ」で終えず、設問が求めることを決めてから、図表の事実と本文の説明を往復する練習が役立ちます。中学受験の国語では、グラフや表を根拠に文章の主張を捉えたり、本文の内容に合う資料を選んだりする問題があります。家庭では、手元の問題集の1題を使い、確認する場所と答えに使う順番を固定しましょう。

目次

図表を見ても答えが合わないのはなぜ

グラフの棒が高いことは分かっても、その図表が本文のどの説明を支えるのかを確かめないと、答案にはつながりません。反対に、本文の印象だけで答えると、資料の数字が示す範囲を超えて言い切ってしまいます。国立教育政策研究所の授業アイディア例でも、小学校高学年の国語で、目的に応じて文章と図表を結び付け、必要な情報を見付ける活動が示されています。受験でも大切なのは、資料を飾りとして眺めることではなく、本文と照合できる根拠として扱うことです。

本文と資料には役割の違いがある

本文には筆者の説明や考えがあり、図表には比較や変化を見やすくした情報があります。図表だけでは分からない理由を本文が説明する場合もあれば、本文に書かれた主張を図表の値が支える場合もあります。最初から「どちらが正しいか」と対立させず、「本文のどの文と図表のどこがつながるか」を探してください。つながりが見つからない箇所も、読み落としを発見する手掛かりになります。

家庭で使う6つの照合手順

最初は新しい教材を増やさず、塾や問題集で既に解いた説明文を選びます。本人の答案と模範解答を脇に置き、まずは設問・本文・図表だけを見直します。答えを先に教えると、どこで情報を取り違えたかが見えにくくなります。以下の順番で、子どもが指を置いた場所を親も確認しましょう。

1 設問が求める情報を短く言う

「理由を答える」「変化を比べる」「本文に合う資料を選ぶ」など、設問の動詞を丸で囲みます。複数の問いがある場合は、今回の1問に限ります。たとえば「増えた理由」を問うなら、図表から増加を確認しただけでは不足です。本文に理由が書かれている場所まで探す必要があります。子どもに「今から何を確かめる?」と聞き、答える対象を先に言葉にします。

2 図表のタイトル・単位・対象を読む

棒グラフを見たら、棒の高さの前にタイトル、縦軸、横軸、単位、注記を確認します。「人数」と「割合」では意味が違い、調査対象が違えば単純に比べられません。表なら行と列の見出しを読み、同じ条件の数値を見ているか確かめます。数字を読む練習というより、数字が何を示すかを特定する作業です。分からない注記は飛ばさず、答案に使う前に戻ります。

3 比べる場所を2つに絞る

資料全体を一度に説明しようとすると、目立つ数字だけに引っ張られます。設問に関わる2つの項目や時点を選び、同じ単位で比べます。「AがBより多い」「前半より後半が増えた」のように、図表から直接言える事実を短く書きます。差の大きさまで必要な問いなら、その値を確認します。必要ない数値を全部写さず、答案の根拠になる比較だけを残します。

4 本文の対応する段落へ戻る

図表の事実が分かったら、本文でその話題を扱う段落を探します。図表のタイトルと同じ語、言い換えた語、「この結果」「これら」などの指示語を手掛かりにします。該当する文を1文選んだら、前後も読み、何を説明しているか確かめます。本文の別の段落から都合のよい文だけを拾うと、筆者の主張とずれることがあります。線を引く場所は少なくてかまいません。

5 資料の事実と考えたことを分ける

「棒の高さが変わった」は資料から読める事実です。「この理由は生活習慣の変化だ」は、本文に書かれているか、別の根拠が必要な考えです。この2つを付箋や余白に分けて記します。図表にない原因を想像して答案へ足してしまう子には、「その言葉は図表のどこ、本文のどこにある?」と尋ねます。分からないときは推測のまま置き、設問に必要な根拠だけを探し直しましょう。

6 1文の答案でつなぎ直す

最後は、設問の言葉を踏まえ、図表で確認した事実と本文の説明を1文にまとめます。たとえば架空の資料で、ある活動への参加が増えたことを図表が示し、本文が学校の取り組みを説明しているなら、「参加が増えたのは、本文にある学校の取り組みが広がったため」と書けます。ただし、実際の問題では本文にその因果関係が書かれているかを必ず確かめます。資料の事実だけで理由を作らないことが大切です。

親子で15分だけ復習する方法

最初の3分で設問の動詞に印を付け、次の4分で図表のタイトル・単位・比較対象を確認します。続く5分で本文の対応段落を探し、最後の3分で答案を1文に整えます。これは時間を競う練習ではありません。最初は時間が延びても、どこへ戻ったかを記録するほうが役立ちます。見直し後に模範解答を見て、足りなかった情報を1つだけ確認してください。

声かけは「根拠の場所」に向ける

「正解は何?」より「その数字は何を表す?」「本文のどこに同じ話がある?」と聞きます。子どもがすぐに答えられなくても、グラフの軸と本文の段落を行き来する時間を待ちます。親が先に因果関係を説明すると、子どもは聞いて納得できても、自分で照合する動きが残りません。見つけた場所を指で示してもらい、言葉にしてから答案へ進みます。

間違い直しはずれた段階を残す

誤答を「読めていない」でまとめず、設問、図表、本文、答案のどこでずれたかを確認します。設問の読み違いなら問いの動詞に戻る。単位の見落としなら軸に戻る。本文と結べなかったなら対応段落を探す。答案で言い過ぎたなら資料にない言葉を消す。直す場所が分かると、次の問題で同じ手順を自分で使いやすくなります。ノートには長い反省文より、戻った場所を1行だけ残しましょう。

図表の種類が変わっても使える見方

円グラフなら全体に対する割合、折れ線なら時点ごとの変化、表なら条件の組み合わせが見えやすくなります。ただし、図表の種類だけで答え方を決める必要はありません。どの図表でも、タイトル・単位・対象を確認し、設問に必要な2か所を比べ、本文の対応箇所へ戻る順番は共通です。図表が複数ある問題では、まずそれぞれの役割を1行で言い、どの資料が問いに直接関係するかを選びます。

複数の図表がある問題の整理

資料が2枚以上あるときは、最初から全部の数値を読まなくてかまいません。各図表のタイトルを見て、「何を比べるための資料か」を1行ずつ書きます。たとえば資料Aが年代ごとの変化、資料Bが地域ごとの違いを示すなら、設問の問いがどちらを求めているかを確かめます。両方必要な場合も、先に1枚ずつ事実を読み、最後に共通点と違いを並べます。図表同士を比べる前に単位と調査対象が同じかを確認し、条件が異なれば安易に大小を結論にしません。

本文にない因果関係は書き足さない

資料の変化を見たとき、理由を思い付くのは自然です。しかし「増えた」と「だから〇〇が原因だ」の間には、もう1つ根拠が必要です。本文に理由が示されていなければ、答案では資料から読める変化までにとどめるか、設問が求める範囲で控えめに述べます。子どもが豊かな知識を持っているほど、本文外の知識を足したくなることがあります。家庭での声かけは「その考えは面白いね。今回の文章と図表のどこで確かめられる?」が有効です。知識を否定せず、答案に使う根拠を選ぶ練習になります。

復習に使う問題の選び方

初回は、図表が1枚で、設問が比較か理由のどちらかを尋ねる既習問題を選びます。図表の単位が複雑で、本文も長い初見の問題では、どこでつまずいたか判断しにくくなります。1題の照合手順が自分でできるようになったら、図表が2枚ある問題へ進みます。模範解答と表現が違っても、設問の条件を満たし、図表と本文の根拠がそろっているかを確認します。答えの長さだけで正誤を判断しないでください。

練習後には、今日使えた動作を1つ選びます。「単位に気づいた」「対応する段落へ戻れた」「資料にない原因を消せた」などです。できなかった点を何個も並べるより、次回の最初に行う動作を1つ決めるほうが、家庭学習へつながります。次の問題では、親が問いを出す前に、子どもが設問の動詞と図表のタイトルを自分で確認できるかを見てください。

文部科学省の小学校学習指導要領の国語解説では、文章から必要な情報を見付けることや、文章と図表などを結び付けて読むことが示されています。家庭で行う復習も、この読み方を小さな動作に分けると取り組みやすくなります。問題の難度より、設問に対してどの根拠を使うかを意識してください。

まとめ

説明文と図表の問題では、図表の数値を見つけるだけでも、本文を読んだ印象だけでも答案がずれます。設問の目的を決め、図表の条件と比較を確かめ、本文の対応段落へ戻る。この往復を1題で丁寧に練習しましょう。今日の間違い直しでは、答えを書き換える前に「図表のどこと本文のどこを結ぶか」を親子で指し示すところから始めてください。

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