「この問題集がいいと聞いたけれど、本当にうちの子に合っているの?」「友だちは別の教材を使っているけど大丈夫?」。中学受験の参考書や問題集は種類がとても多く、何を選べばよいか迷う家庭は少なくありません。
結論から言うと、中学受験の参考書は、たくさん買うほど力がつくわけではありません。塾のテキストを軸にして、足りないところだけを市販の問題集で補い、「基礎→応用→入試対策」の3段階で進めるのが基本です。問題集は7割くらい解ける難しさのものを選び、1冊を最後までくり返して「解ける」状態にすることが大切です。
この記事でわかること
- 参考書ルートを「基礎→応用→入試対策」の3段階で組む考え方
- 教科別の進め方と、問題集を選ぶ3つの基準
- つまずいた単元の立て直し方と、直前期の参考書の使い方
参考書ルートは「基礎→応用→入試対策」の3段階


無計画にたくさんの問題集に手を出すと、子どもが消化不良を起こしてしまいます。どの教科も、まず計算や語彙、基本の知識を固める「基礎」、解き方の引き出しを増やす「応用」、過去問や学校別の対策で仕上げる「入試対策」の順に進めるのが効率的です。
塾に通っている場合は、塾のテキストがこの3段階に沿って作られています。市販の問題集は、塾のテキストで足りないところを補うために使う、と考えておくと、教材が増えすぎるのを防げます。
教科別の進め方
算数:計算と典型題を固めてから応用へ
算数は、毎日の計算練習と、典型的な文章題や図形の問題を確実に解けるようにすることが基礎です。基礎が固まったら、応用の問題集で解き方のパターンを増やします。広く使われている例としては、東京出版の『プラスワン問題集』などがあります。難関校を目指す場合は、同じ東京出版の月刊誌『中学への算数』を取り入れる家庭もあります。
入試対策の段階では、志望校の過去問と並行して、出題の多い分野を重点的に練習します。「このタイプの問題は何分で解く」と目標を決めて、時間を意識して解くことも大切です。
国語:語彙と読み方を積み上げる
国語は、日々の積み重ねで少しずつ力がつく教科です。基礎の段階では、漢字や語彙、文章を正確に読む力を育てます。音読を取り入れると、子どもがどこで読み違えているかが分かりやすくなります。応用の段階では、文章の構成をつかみ、要点をまとめる練習や、記述問題で「何を聞かれているか」を正確にとらえる練習に進みます。入試対策では、制限時間の中で解く練習と、記述の型を身につけることが中心になります。
理科・社会:知識をまとめて、使う練習へ
理科と社会は、まず必要な知識を整理して覚えることが基礎です。四谷大塚の『四科のまとめ』、日能研の『メモリーチェック』、SAPIXの『コアプラス』など、知識をまとめた教材を1冊決めて、くり返し使う家庭が多いようです。
応用の段階では、実験や観察の問題、資料を読み取る問題で、知識を使う練習をします。社会では、新聞やニュースを親子で見る習慣も時事問題の土台になります。入試対策では、志望校で実験の考察が多いのか、地理が細かく出るのかといった傾向に合わせて、強化する分野を決めましょう。
問題集を選ぶ3つの基準


1つ目は、7割くらい解ける難しさであることです。簡単すぎると退屈し、難しすぎると自信をなくしてしまいます。「できた」という経験を積み重ねながら、少しずつレベルを上げていくのが理想です。
2つ目は、目的がはっきりしていることです。「なんとなくよさそう」で買うのではなく、「比の単元を補うため」「記述の練習のため」と、何のための1冊かを決めてから選びます。3つ目は、最後までやり切れる分量であることです。分厚い問題集を途中でやめるより、薄い1冊をくり返して完走する方が、ずっと力になります。
つまずいた単元は、単元別の問題集で立て直す
受験勉強の途中で、ある単元をきっかけに成績が大きく下がることがあります。当方の長男も、小5の算数で成績をガタ落ちさせたことがありました。原因になっていた単元は「比」でした。
そのときに役立ったのが、単元別の問題集で比を集中的に練習することでした。総合的な問題集では、苦手な単元の問題は数問しか出てきません。単元別の問題集なら、同じ考え方の問題をまとまってくり返せるので、つまずきの根っこから立て直しやすくなります。成績が急に下がったときは、どの単元で点を落としているかを確かめ、その単元だけを集中的に補う1冊を選んでみてください。
▶ 分数と比の考え方の土台はこちら:【中学受験】算数の分数は同じ1から比べる 数直線と紙テープの家庭学習
参考書の使い方のコツ
問題集は、1回解いて終わりにしないことが大切です。間違えた問題に印をつけ、翌日、3日後、1週間後にもう一度解きます。2回続けて解けたら、その問題は卒業です。印の数が減っていくのが目に見えると、子どものやる気にもつながります。
1日30分でも毎日続ける方が、週末にまとめて何時間もやるより効果的です。生活のリズムに合わせて「問題集の時間」を決め、壁に貼ったカレンダーに「いつまでにどこまで」を書いておくと、親子で進み具合を確かめやすくなります。
声かけも大切です。「この問題、よく考えたね」「前よりも速く解けたね」と、結果だけでなく取り組んだ過程をほめましょう。スランプのときは、得意な単元に一度戻って自信を取り戻すのも1つの方法です。
直前期は新しい参考書を買わない
入試が近づくと、不安から新しい参考書を買いたくなることがあります。ですが、直前期は新しい本に手を出すより、これまで使ってきた教材の復習と、志望校の過去問の演習に集中する方が効果的です。過去問集は、声の教育社などから学校別に出ています。
特に、これまでに間違えた問題をもう一度解き直すことが大切です。印をつけてきた問題を集中的に見直せば、同じミスを本番でくり返さずに済みます。
よくある質問
Q. 塾のテキストだけで足りますか?
A. 多くの場合、塾のテキストをしっかり復習できていれば十分です。市販の問題集は、苦手な単元を補いたいときや、塾のテキストで演習量が足りないと感じたときに、1冊だけ足すのがおすすめです。
Q. 友だちが使っている問題集を買った方がいいですか?
A. 子どもの学力や苦手な単元が違えば、合う問題集も違います。7割解けるか、目的がはっきりしているかを基準に選んでください。
参考書ルートを確かめる5つのチェック
- □ 塾のテキストを軸にした
- □ 問題集は1教科1冊までにした
- □ 7割解ける難しさで選んだ
- □ 間違えた問題に印をつけてくり返した
- □ 直前期は新しい本を買わなかった


小6の11月〜入試直前にこの記事を使うなら
直前期は新しい参考書を買い足さないのが基本です。今手元にある問題集のうち、間違えた問題に印がついているページだけを解き直してください。1冊をやり切った手応えが、本番前の自信になります。
まとめ:増やすより、しぼってやり切る
中学受験の参考書ルートは、塾のテキストを軸に、基礎・応用・入試対策の3段階で進めるのが基本です。問題集は7割解ける難しさで、目的をはっきりさせて選び、1冊をくり返してやり切りましょう。つまずいた単元は、単元別の問題集で集中的に補うと立て直しやすくなります。
まずは今使っている教材を机の上に並べ、「何のための1冊か」を親子で確かめるところから始めてみましょう。
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