中学受験は、子どもにとっても家族にとっても大きな挑戦です。受験を控えた家庭では、「子どもはどんなところで苦労するのか」「やる気をどう保てばいいのか」が気になるところだと思います。
この記事でわかること
- 受験経験者の振り返りから見える、苦労しやすい3つのこと
- モチベーションを支えた3つのこと
- 家庭でできる支え方と、遅いスタートを支えたもの
受験を決めたきっかけと、遅いスタート
この経験者が中学受験を決めたのは、小6の春でした。きっかけは、「地元の中学校ではなく、落ち着いた環境で学ばせたい」という母親の願いです。本人には「どうしても行きたい学校」があったわけではなく、「合格したらほめてもらえるかな」という気持ちで受験を引き受けたそうです。
それまでは放課後に友だちと遊ぶ毎日でしたが、受験を決めると同時に、家から自転車で5分ほどの個別指導の塾に入りました。入塾テストでは算数はあまり点が取れなかったものの、国語で点を取って合格。塾の先生からは、小さいころに親が絵本をたくさん読んでくれたおかげで読解力がついていた、と言われたそうです。
志望校は、親が調べた近所の中高一貫の女子校。電車に乗らずに通えること、近所の評判、中高一貫であること、そして受験科目が国語と算数の2教科で、遅いスタートでも間に合う可能性があったことが決め手でした。
子どもが苦労しやすい3つのこと


1. 勉強の難しさと授業のスピード
中学受験の学習内容は、小学校で習う内容よりずっと複雑で、新しい考え方が次々に出てきます。経験者も、慣れない内容を理解するのに時間がかかったと振り返っています。塾の授業はどんどん先に進むので、習ったことをすぐに身につける必要があり、ついていくのが大変だったそうです。
2. 生活の変化
いつもなら家にいる時間に塾で勉強していること、夏休みに友だちと遊ばずに塾に通い続けたことは、子どもながらにつらかったと言います。大人から見ると当たり前の「受験生の生活」でも、子どもにとっては大きながまんの連続です。そんな中で支えになったのは、塾から帰ったときに母親が用意してくれていた温かいごはんだったそうです。
3. プレッシャーと不安
模試では志望校の判定が「E」の時期がしばらく続き、結果に一喜一憂する日々だったと言います。親や先生の反応が気になって、びくびくしていたこともあったそうです。
模試では複数の学校の判定が出るので、ほかの学校を書いてみると「A」判定。「この学校ならA判定なのに、どうしてE判定の学校をがんばって受けないといけないんだろう」と考えたこともあったと振り返っています。子どもは、大人が思う以上に判定の数字を気にしていて、大人の表情もよく見ています。
モチベーションを支えた3つのこと


1. 成長の実感
難しい問題が解けたとき、自分の成長を感じられたことが、いちばんの原動力になったそうです。そして、E判定が続いていた模試で、最後には「B」判定まで上げることができました。「勉強はやれば結果がついてくるんだ」と実感できたことで、さらにやる気に火がついたと言います。
2. 家族の応援
家族からの励ましの言葉も、大きな支えになりました。週2回の塾や夏期講習など、費用の面でも支えてもらっていたことを、今ふり返るとありがたく感じるそうです。親が支えてくれているという安心感が、苦しい時期でも前向きに取り組む力になりました。
3. 将来への期待
受験を乗り越えれば、新しい環境で学べる。そんな将来への期待も、苦労を乗り越える原動力になったと振り返っています。
経験者の振り返りから考える、家庭でできる支え方
受験する理由を子どもと共有する
この経験者のように、親の勧めで受験を始める子は少なくありません。それ自体は悪いことではありませんが、途中で「なぜがんばるのか」が分からなくなると、判定が悪いときに気持ちが折れやすくなります。学校説明会や文化祭に一緒に行き、「この学校のここがいいね」と子ども自身が言える理由を少しずつ増やしていきましょう。
判定より「伸びた所」を伝える
E判定が続く時期は、子どもも十分に落ちこんでいます。親が判定の文字に反応してしまうと、子どもはさらに不安になります。判定よりも、前回より点が取れた教科、解けるようになった問題に目を向けて、具体的に伝えてあげてください。
わが家の長男も、小5のときに算数の「比」の単元でつまずき、成績が大きく下がった時期がありました。単元別の問題集で基本から解き直し、少しずつ成績を戻していく中で、「前は解けなかった問題が解けた」という手応えが、何よりの励みになっていたように思います。
生活のがまんをねぎらい、帰る場所を整える
遊ぶ時間を削ってがんばっていることを、当たり前と思わずに言葉でねぎらいましょう。塾から帰ってきたときに、温かいごはんがあり、ほっとできる場所がある。それだけで、子どもは次の日もがんばれます。
小さいころの読み聞かせが、遅いスタートを支えた
この経験者の振り返りで印象的なのは、入塾テストを国語の力で乗り越えたことです。算数はあまり点が取れなかったものの、小さいころから親が絵本をたくさん読んでくれていたおかげで読解力がついていて、それが合格の決め手になったと塾の先生に言われたそうです。
読解力は、短い期間で急に伸ばすのが難しい力です。受験を決める前の毎日の読み聞かせや親子の会話が、何年も後になって子どもを助けることがあります。低学年のうちは、受験勉強を急ぐより、本に親しむ時間を大切にしておくことが、将来の大きな土台になります。
これから受験を迎える子どもたちへ
経験者は、これから受験を迎える子どもたちに、「焦らず、自分のペースで進んでほしい」と伝えています。計画を立てることは大切ですが、計画にとらわれすぎず、ときには息抜きも必要です。そして、支えてくれる人たちへの感謝を忘れずに、自分を信じてがんばってほしい、と結んでいます。
よくある質問
Q. 小6からのスタートでも間に合いますか?
A. 志望校や受験科目によって大きく変わります。この経験者のように、2教科で受けられる学校を選ぶなど、受験の組み方を工夫することで挑戦できる場合もあります。塾の先生と早めに相談しましょう。
Q. 判定が悪いときに、志望校を変えるべきですか?
A. 判定は、その時点での目安です。秋以降の伸びも考えて、塾の先生と相談しながら決めましょう。挑戦校を残しつつ、合格の見込みが高い学校も組み合わせておくと安心です。
モチベーションを支える5つのチェック
- □ 受験する理由を子どもと話した
- □ 模試の判定より伸びた所を伝えた
- □ 生活のがまんをねぎらった
- □ 塾から帰った時の居場所を整えた
- □ 息抜きの時間を予定に入れた


まとめ:手応えと安心できる場所が、子どもを支える
中学受験で子どもが苦労しやすいのは、勉強の難しさ、生活の変化、プレッシャーの3つです。そして、それを乗り越える力になるのは、成長の実感、家族の応援、将来への期待でした。
判定の数字より伸びた所に目を向け、がまんをねぎらい、ほっとできる場所を整える。まずは今夜、塾から帰ってきた子どもに「今日もおつかれさま」と声をかけるところから始めてみてください。
関連記事
あわせて読みたい




















コメント