先日、子どもの歯科の定期検診に行きました。歯石取り、クリーニング、虫歯のチェック、歯の生え変わりや歯並びのチェックなどです。
衛生士さんがとても優しく、「これはリンゴ味だよ」「すっぱいお薬をつけるよ」と細かく教えてくださいました。クリーニングも痛くなかったので、子どもは歯医者さんが楽しかったようです。この記事では、その帰りに子どもが口にした「将来の夢」と、体験を学びにつなげるわが家の声かけを紹介します。
この記事でわかること
- 体験のあとに気持ちを聞く
- 夢を学びにつなげる4つのステップ
- 気持ちを聞くと分かること
体験のあとに気持ちを聞く
わが家では、歯医者さんに限らず、何か新しいことをするたびに、「楽しかった?」「どう思った?」と子どもの気持ちを確かめるようにしています。
この日も聞いてみると、子どもは「とっても楽しかった!」と答えました。子どもらしく素直な答えです。そして治療の最後には、「歯医者さんになりたい!」と言ってくれました。
体験を学びにつなげる3つの声かけ


「楽しかった?」
まずは、体験が楽しかったかどうかを聞きます。子どもの気持ちを知る、いちばんシンプルな質問です。
「どう思った?」
楽しかった、つまらなかったに加えて、何を感じたかを聞きます。子どもが自分の気持ちを言葉にする練習にもなります。
「一緒にがんばろう」
子どもが何かに興味を持ったら、「一緒に」という言葉をそえて、次の行動につなげます。
何かを体験したときに、子どもの気持ちや希望をこまめに確かめることは、とても大切だと考えています。
体験ごとの声かけの例
いろいろな体験のあとに、わが家で使っている声かけの例です。
| 体験 | 「どう思った?」の聞き方 | 学びへのつなげ方 |
|---|---|---|
| 歯医者さん | 「どんな道具が使われていた?」 | 歯の本を一緒に読む |
| 博物館 | 「いちばん大きかったのはどれ?」 | 図鑑で大きさを比べる |
| 公園 | 「今日はどんな虫がいた?」 | 虫の名前を調べる |
| 料理のお手伝い | 「どうして形が変わったと思う?」 | 温めると変わるものを探す |
答えが短くても大丈夫です。「どう思った?」と聞かれること自体が、子どもにとって自分の気持ちを言葉にする練習になります。
夢を学びに、やんわりつなげる
「歯医者さんになりたい!」という言葉を受けて、わが家では「歯医者さんになるには、今やっている勉強も、これから行く塾も、パパと一緒にがんばろうね」と、これからの行動をやんわり伝えました。
このとき大切にしているのは、子どもに課題を押しつけるのではなく、「一緒に」という伴走の姿勢です。「がんばろうね」だけだと、子どもによっては「どうしてやらなきゃいけないの?」とすねてしまうこともあります。「一緒に」と付け加えるだけで、目標に向かうのはひとりじゃない、と感じてもらえるように気をつけています。
夢を学びにつなげる4つのステップ


1. 体験する
新しいことに触れる機会をつくります。特別な体験でなくても、歯医者さんのような日常の出来事でも十分です。
2. 気持ちを聞く
「楽しかった?」「どう思った?」と聞きます。
3. 夢を受け止める
子どもが「なりたい!」と言ったら、その気持ちを大切に受け止めます。
4. やんわりつなぐ
今の学びとのつながりを、押しつけずに伝えます。「一緒にがんばろう」とそえることを忘れずに。
つなげ方の例
子どもが「〇〇になりたい」と言ったとき、今の学びとどうつなげるかの例です。どれも押しつけず、「こんなこともあるんだって」と話す程度にしています。
| 子どもの言葉 | つなげ方の例 |
|---|---|
| 歯医者さんになりたい | 「歯がどうしてできているか、本で調べてみようか」 |
| 電車の運転士になりたい | 「時計が読めると、時刻表が分かるね」 |
| ケーキ屋さんになりたい | 「材料を量るとき、数字を使うね」 |
| 恐竜博士になりたい | 「字が読めると、図鑑を自分で読めるね」 |
夢はこれから何度も変わるものです。そのたびに、今の学びとつながる小さな入口を見つけてあげると、子どもは「勉強は好きなことに近づくためのもの」と感じられるようになります。
▶ 「どうしてぼくだけ勉強するの?」と聞かれたときの答え方はこちら:「どうしてぼくだけ勉強するの?」と聞かれたら|好きなことと結びつけて答える、勉強を嫌いにさせない声かけ
「好き」「やりたい」が続くように
子どもの「好き」や「やりたい」が、一時的なものではなく、続いていくものになってほしいと思っています。
そのためには、乗り越えなければいけないこと、反対にやめてもよいことも、あわせて話していきたいと考えています。夢に向かう道には、楽しいことだけでなく、がんばらなければいけないこともある。そうしたことも、少しずつ親子で話していければと思います。
日常の一コマにも気づきがある
歯医者さんに行っただけの、日常の一コマでした。それでも、子どもの気持ちを聞いてみると、たくさんの気づきがありました。
特別な体験を用意しなくても、毎日の生活の中には、子どもの興味や夢の種がたくさんあります。体験のあとに気持ちを聞く習慣を、ぜひ取り入れてみてください。
▶ ひとりにしない伴走と、何度でも挑戦する気持ちはこちら:「どうして勉強ばかりするの?」と子どもに言われたら|ひとりにしない伴走と、テストで転んでも何度でも挑戦する気持ち
気持ちを聞くと分かること
体験のあとに気持ちを聞くと、子どもが何に興味を持ったのかが分かります。歯医者さんの場合、子どもが楽しかったのは、衛生士さんの優しい声かけや、痛くなかったことだったのかもしれません。
子どもの答えをきっかけに、「歯はどうして生え変わるのかな?」「歯を大切にするにはどうすればいい?」と話を広げると、体験が学びにつながっていきます。図鑑や絵本で歯のことを一緒に調べてみるのもよいでしょう。
気持ちを聞く習慣は、子どもにとっても、自分の思いを言葉にする大切な練習になります。
体験の記録を残す
体験のあとに子どもが話したことは、簡単にメモしておくと、あとで子どもの興味の移り変わりが分かります。
- 日付と、どこで何を体験したか
- 子どもが「楽しかった」「すごかった」と言ったこと
- 子どもが「なりたい」「やってみたい」と言ったこと
- そのあと、一緒に調べたり読んだりした本
数か月分のメモを見返すと、子どもが何度も興味を持っているテーマが見えてきます。そのテーマは、子どもにとって本当に好きなことかもしれません。習いごとや本選び、学校選びのときにも、大切な手がかりになります。
よくある質問
Q. 子どもの夢がころころ変わるのですが、大丈夫ですか?
A. 幼いうちは、夢が変わるのは自然なことです。そのたびに気持ちを受け止め、今の学びとのつながりを話してあげましょう。
Q. 「楽しかった?」と聞いても、答えてくれないときは?
A. 疲れているときは、無理に聞かなくても大丈夫です。少し時間をおいてから、「あのときどうだった?」と聞いてみましょう。
Q. 夢と勉強を結びつけるのは、押しつけになりませんか?
A. 「やらなきゃだめ」ではなく、「一緒にがんばろう」と伝えれば、押しつけにはなりにくくなります。
Q. どんな体験が、子どもの夢につながりやすいですか?
A. 特別な体験でなくても、病院や買い物、働く人を見る機会など、日常の中に夢の種はたくさんあります。気持ちを聞くことを習慣にしましょう。
Q. 乗り越えなければいけないことは、どう伝えればよいですか?
A. 「歯医者さんになるには、たくさん勉強するんだって」など、事実をやさしく伝え、「一緒にがんばろう」とそえると前向きに受け止めやすくなります。
Q. 「楽しかった?」と聞いても、「ふつう」としか答えません。
A. 「いちばん〇〇だったのは?」のように、答えやすい形で聞いてみましょう。少し時間がたってから、思い出したように話してくれることもあります。
体験のあとの5つのチェック
- □ 体験のあとに気持ちを聞いた
- □ 子どもの言葉を否定しなかった
- □ 夢と今の学びをやんわりつないだ
- □ 「一緒に」と伝えた
- □ 続けることとやめてよいことも話した


まとめ:気持ちを聞き、「一緒に」で夢を学びにつなげる
新しい体験のあとに「楽しかった?」「どう思った?」と聞くことで、子どもの興味や夢が見えてきます。夢が生まれたら、押しつけずに「一緒にがんばろう」と、今の学びとやんわりつなげていきましょう。
まずは、次に何か新しい体験をしたとき、「どう思った?」と聞いてみてください。
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