わが家の子どもが小学校に入学する時期、これまで以上に勉強に意識を向けさせていこうと考えていました。そんなとき、難関大学に進む学生の家庭は世帯年収が高い傾向にある、という話を目にしました。
たしかに、小さいころからたくさんの習いごとをしたり、費用の高い塾に通ったりすることは、子どもの学びを支えます。けれども、教育費をかけなければ子どもの力を伸ばせないかというと、そうではないと考えています。この記事では、教育費をかけなくても家庭でできることを紹介します。
この記事でわかること
- 世帯年収よりも大切なこと
- お金をかけるところを選ぶ
- 低学年のうちに家庭でできること
世帯年収よりも大切なこと
わが家の考えは、親の世帯年収はそれほど関係なく、本人のやる気やモチベーションによるところが大きい、というものです。
そして、周りに競い合うライバルがいなくても、情報を集め、対策を考え、合格のための戦略を立てることで、目標に近づくことができます。お金をかけることよりも、子どものやる気と、家庭の情報と戦略が大切だということです。
お金をかけずにできる3つの体験


子どもに早いうちからさまざまな体験をさせることは、学びにもよい影響があります。そして、その中には費用をかけずにできるものもたくさんあります。
図書館で本や図鑑に出会う
図書館では、たくさんの本や図鑑に無料で出会えます。子どもが自分で選んだ本を読むことは、読む力だけでなく、興味の幅を広げることにもつながります。
自然の中で発見する
公園や散歩道でも、季節の植物や虫、天気の変化など、たくさんの発見があります。「これは何だろう?」と一緒に考えることが、理科の学びの入り口になります。
家の中で数や言葉を使う
料理で材料を量ったり、買い物で合計の金額を考えたりすると、自然に数を使う機会が生まれます。家族の会話の中で新しい言葉を知ることも、国語の力の土台になります。
体験を学びにつなげる一言
お金をかけない体験も、親の一言で学びにつながります。わが家でよく使っている声かけの例です。
| 体験 | 声かけの例 | つながる学び |
|---|---|---|
| 図書館 | 「この図鑑で、いちばんびっくりしたのはどれ?」 | 理科・社会の知識、説明する力 |
| 公園・散歩 | 「先週と比べて、何が変わった?」 | 季節の変化、観察する力 |
| 料理 | 「このお米、何杯分で2人分になる?」 | 量・単位、計算 |
| 買い物 | 「1000円で、何と何が買えるかな?」 | たし算・ひき算、見通しを立てる力 |
どれも特別な準備はいりません。ふだんの生活の中で、子どもが自分で考える問いを1つ投げかけるだけです。正解を出すことより、子どもが「考えてみた」という経験を大切にしています。
やる気と戦略を育てる4つのステップ


1. 子どもの興味を見つける
やる気の出発点は、子どもが「好き」「おもしろい」と感じることです。ふだんの遊びや会話の中から、子どもが夢中になれることを見つけましょう。
2. 取り組んだ過程をほめる
結果だけでなく、取り組んだ過程をほめることで、子どもは「やってみよう」という気持ちを持ち続けやすくなります。
3. 情報を集める
学校や入試のしくみ、勉強の進め方などの情報は、親が集めて整理することができます。説明会や学校の公式の情報、無料で参加できるイベントなども活用しましょう。
4. 家庭に合った計画を立てる
集めた情報をもとに、家庭に合った進め方を考えます。ほかの家庭と同じにする必要はありません。子どもの性格や家庭の状況に合わせて、無理のない計画を立てましょう。
情報を集めるときに使えるもの
ステップ3の情報集めは、費用をかけずにできることがたくさんあります。
- 学校の説明会や文化祭(多くは無料)
- 学校のホームページに載っている入試の情報や過去の問題
- 塾の無料の説明会やテスト
- 図書館にある中学受験の情報誌や本
- 地域の教育委員会や自治体が出している学校の情報
集めた情報は、1冊のノートにまとめておくと、比べたり見返したりしやすくなります。情報が多すぎると迷ってしまうので、「わが家が知りたいこと」を先に3つほど決めてから集めると、必要な情報が見つけやすくなります。
▶ 子どもの興味に投資する考え方はこちら:子供の興味には投資を!
お金をかけるところを選ぶ
教育費をかけないことが正しい、というわけではありません。大切なのは、どこにお金をかけ、どこは家庭の工夫でまかなうかを選ぶことです。
たとえば、子どもが強く興味を持っていることには思い切って投資し、ほかのことは家庭でできる体験で補う、という考え方もあります。家計とのバランスを見ながら、子どもにとって意味のある使い方を考えていきましょう。
親の関わりが一番の支え
教育費をかけても、子どもに関心を向けなければ、その効果は十分に出ないかもしれません。逆に、費用をかけなくても、親が子どもの話を聞き、一緒に考え、励ますことで、子どもは大きく成長します。
毎日の会話の中で「今日は何を知った?」と聞くだけでも、子どもの学びへの意識は変わっていきます。親の関わりこそが、お金では買えない一番の支えです。
ライバルがいなくても伸びる理由
難関校を目指す子が多い環境では、周りの子と競い合うことが刺激になります。けれども、そうした環境がなければ合格できないわけではありません。
周りにライバルがいない場合でも、目標をはっきりさせ、そこに向けて何をすればよいかが分かっていれば、子どもは自分のペースで力を伸ばしていけます。そのために必要なのが、情報を集め、対策を考え、戦略を立てることです。
たとえば、志望校の入試ではどんな問題が出るのか、どの教科でどのくらい点を取ればよいのかが分かると、限られた時間の中で何に力を入れるべきかが見えてきます。こうした情報は、お金をかけなくても、学校の説明会や公式の情報から集めることができます。
低学年のうちに家庭でできること
低学年のうちは、受験のための勉強よりも、学ぶことを楽しいと感じる経験を積み重ねることが大切です。図書館で本を借りる、公園で虫や植物を観察する、料理を一緒にする。どれも費用はほとんどかかりませんが、子どもの「知りたい」という気持ちを育てます。
その「知りたい」という気持ちこそが、のちに勉強に向かうやる気の源になります。教育費を考えるときは、まず家庭でできる体験から始めてみましょう。
また、親が楽しそうに本を読んだり、調べものをしたりする姿を見せることも、子どもにとってはよいお手本になります。
教育費の使い方を考えるための整理表
お金をかけるところを選ぶときは、子どもの興味と、かける費用、続けられる期間を一緒に書き出してみると、判断しやすくなります。
| 項目 | 書き出す内容の例 |
|---|---|
| 子どもが夢中になっていること | 恐竜、工作、算数のパズル |
| 家でできること | 図鑑を読む、廃材で工作、パズルの本 |
| お金をかけるとよさそうなこと | 博物館の年間パス、工作教室の体験 |
| 続けられる期間・金額 | 半年ごと、月○○円まで |
「家でできること」を先に書いておくと、本当にお金をかける必要があるものが見えてきます。かけると決めたものは、半年ごとに子どもの様子を見て、続けるかどうかを見直しましょう。
よくある質問
Q. 習いごとをたくさんさせないと、子どもは伸びませんか?
A. 習いごとの数よりも、子どもが興味を持って続けられるかどうかが大切です。家庭でできる体験も、学びの土台になります。
Q. 塾に通わせる費用が心配です。
A. 塾の費用は学年が上がるにつれて増えることが多いです。いつから、どのくらい通うかを家庭の予算と照らし合わせて考え、家庭学習で補える部分も探してみましょう。
Q. 情報はどこで集めればよいですか?
A. 学校の説明会や公式のホームページ、塾の無料のイベントなどが基本です。うわさだけで判断せず、信頼できる情報を集めましょう。
Q. やる気がなかなか出ない子はどうすればよいですか?
A. まずは子どもが好きなことや得意なことから始めてみましょう。小さな「できた」を積み重ねることで、少しずつやる気が育っていきます。
Q. 低学年から教育費をかけたほうが有利ですか?
A. 早くから費用をかけることが、必ずしも有利になるとは限りません。子どもの興味や様子を見ながら、必要なところにかけることが大切です。
Q. 周りの家庭が習いごとをたくさんしていて、焦ってしまいます。
A. 習いごとの数より、子どもが夢中になれることがあるかどうかが大切です。家でできる体験を増やし、子どもの「好き」を見つけることから始めましょう。
教育費に悩んだときの5つのチェック
- □ お金をかけずにできる体験を探した
- □ 子どもの好きなことを知っている
- □ 取り組んだ過程をほめている
- □ 学校や入試の情報を集めている
- □ 家庭に合った計画を立てている


まとめ:やる気と戦略は、お金をかけずに育てられる
難関校に進む子の家庭は世帯年収が高い、という話はよく聞かれます。けれども、子どもの力を伸ばすうえで大きいのは、本人のやる気と、情報を集めて戦略を立てる家庭の関わりです。お金をかけずにできる体験を生かしながら、子どものやる気を育てていきましょう。
まずは、今週末に図書館へ行き、子どもが選んだ本を1冊借りてみてください。
関連記事
あわせて読みたい





















コメント