中学受験の塾選びで、多くの家庭が利用するのが体験授業です。ただ、なんとなく参加して「雰囲気は良さそうだった」で終わってしまうと、入塾してから「思っていたのと違った」と感じることもあります。せっかくの機会を、どう使えばよいのでしょうか。
結論から言うと、体験授業は「授業の進め方」「宿題と家庭の役割」「子どもの表情」の3つを確かめる場だと考えると、見るべきところがはっきりします。そして、申し込む前に聞きたいことをメモしておき、帰り道に子どもの感想を先に聞く。この準備と振り返りで、体験授業から得られる情報はぐっと増えます。
この記事では、体験授業で確かめたい3つのこと、申し込みから帰り道までの流れ、体験のあとに確かめたい12のポイントを紹介します。塾の選び方の全体の流れは、別の記事でまとめています。
この記事でわかること
- 塾の体験授業で確かめたい3つのこと
- 申し込みから帰り道までの4ステップ
- 体験のあとに確かめたい12のポイント
▶ 中学受験の塾選びで迷わない順番はこちら:塾選びの秘訣
体験授業で確かめたい3つのこと


1:授業の進め方
まず見ておきたいのが、授業の進め方です。先生の説明の速さはどうか、子どもが手を挙げたり答えたりする場面はあるか、板書をノートに写す時間は十分か。集団授業の塾が多いので、クラスの人数や、子どもが質問しやすい雰囲気かどうかも見ておきましょう。
2:宿題と家庭の役割
中学受験の塾では、授業と同じくらい家庭学習が大切です。体験授業のあとに説明会や面談がある場合は、毎週どのくらいの宿題が出るのか、丸つけや解き直しを家庭でどこまで手伝う必要があるのかを聞いておきましょう。共働きの家庭や、下にきょうだいがいる家庭では、とくに大切なポイントです。
3:子どもの表情
いちばん大切なのが、体験授業を終えたときの子どもの表情です。楽しそうに出てきたのか、ぐったり疲れきっていたのか。授業の内容が理解できたかどうかより、「この先生の授業をまた聞きたい」と思えたかどうかが、入塾後に通い続けられるかを左右します。
申し込みから帰り道までの4ステップ


ステップ1:申し込む前に、聞きたいことをメモする
体験授業に申し込む前に、家庭で聞きたいことを書き出しておきましょう。小6までのカリキュラムの流れ、クラスの分け方、宿題の量、費用、送り迎えの必要があるかどうかなどです。複数の塾を比べる場合は、どの塾にも同じ質問をすると、違いが分かりやすくなります。
比べる塾は、2〜3校までにしておくのがおすすめです。たくさんの塾の体験授業に行くと、子どもが疲れてしまい、どの塾が良かったのか分からなくなることがあります。
ステップ2:当日は、授業の前後の様子も見る
体験授業の当日は、授業の前後の様子も見ておきましょう。受付の対応、教室の明るさや清潔さ、休み時間の生徒の様子。授業を見学できる場合は、先生が子どもの名前を呼んでいるか、間違えた子どもにどう声をかけているかにも注目してみてください。
ステップ3:説明会や面談で、宿題とフォローを聞く
説明会や面談では、メモしておいた質問をしましょう。とくに、授業が分からなかったときのフォロー、テストの結果の伝え方、保護者会や面談の頻度は、入塾後の安心感につながります。入塾テストがある塾では、テストの内容や、結果によってクラスがどう決まるのかも確かめておきましょう。
ステップ4:帰り道は、子どもの感想を先に聞く
帰り道では、親の感想を言う前に、子どもの感想を先に聞きましょう。「どうだった?」と聞くと「普通」と返ってくることが多いので、「いちばんおもしろかったのは何?」「先生の話で覚えていることある?」と具体的に聞くのがコツです。親が先に「良い塾だったね」と言ってしまうと、子どもは本音を言いにくくなります。
体験のあとに確かめたい12のポイント
体験授業のあと、家庭で振り返るときは、次の12のポイントを確かめてみてください。授業について、先生の説明は分かりやすかったか、授業の速さについていけそうか、質問しやすい雰囲気だったか、クラスの人数はちょうどよかったか。家庭学習について、宿題の量は無理がないか、親が手伝う範囲は分かったか、テストの頻度と結果の伝え方は分かったか、フォローの仕組みはあるか。通い方について、通塾時間は小6になっても無理がないか、小6までの費用の見通しは立ったか、送り迎えは必要か。そして最後に、子どもが「また行きたい」と言ったかどうかです。
すべてのポイントで満点の塾はありません。家庭として何をいちばん大切にしたいのかを決め、優先順位をつけて比べると、迷いが少なくなります。
体験授業でよくある失敗
よくある失敗の1つが、体験授業の内容だけで判断してしまうことです。体験授業は、子どもが楽しめるように工夫されていることもあります。ふだんの授業の様子や、学年が上がったときの授業の進み方も、説明会で聞いておきましょう。
もう1つは、合格者の数だけで決めてしまうことです。合格者の数は、在籍している生徒の数にも左右されます。数字だけを見るのではなく、わが子がその塾でどのように学ぶのかを想像して選ぶことが大切です。
▶ 合格実績は人数ではなく割合で見る方法はこちら:大手塾の合格率を徹底解剖
入塾テストがある場合の考え方
塾によっては、体験授業とは別に入塾テストがあります。入塾テストは、塾の授業についていけるかどうかを確かめるためのものです。結果によっては、入るクラスが決まったり、入塾を見送るよう案内されたりすることもあります。
入塾テストのために特別な対策をしすぎる必要はありません。無理に背伸びをして高いクラスに入っても、授業のペースについていけずに苦しくなることがあります。今の力で受けて、その結果から合うクラスや塾を考える方が、入塾後に伸びやすいと考えておきましょう。
テストの結果が思わしくなかったときも、子どもを責めないことが大切です。「今の力が分かってよかったね」と伝え、どの塾なら無理なく通えそうかを、親子で前向きに考える材料にしてください。
よくある質問
Q. 体験授業は何年生で受けるのがいいですか?
A. 新しい学年の授業が始まる前の時期に受ける家庭が多いです。塾によって入塾の時期や体験授業の日程が違うため、各塾の案内で確かめてください。
Q. 子どもが体験授業を嫌がります。
A. 無理に連れて行くより、「見に行くだけ」「1回だけ」と気軽に誘ってみましょう。受験そのものに気持ちが向いていない場合は、まずは子どもと受験について話す時間をとることが先かもしれません。
体験のあとの5つのチェック
- □ 子どもが「また行きたい」と言った
- □ 授業の速さについていけそうだった
- □ 宿題の量と親の役割が分かった
- □ 小6までの費用と通塾時間を確かめた
- □ 質問しやすい雰囲気だった


まとめ:体験授業は、子どもの顔を見る場
体験授業は、授業の進め方、宿題と家庭の役割、子どもの表情の3つを確かめる場です。申し込む前に聞きたいことをメモし、当日は授業の前後の様子も見て、帰り道には子どもの感想を先に聞きましょう。
最後に決め手になるのは、子どもが前向きに通えるかどうかです。体験授業から帰ったら、まずは「いちばんおもしろかったのは何?」と聞いてみてください。
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