「もうSAPIXに行きたくない」。子どもからそう言われたとき、あるいは毎晩遅くまで復習に追われる姿を見ているとき、「このまま続けていいのだろうか」と迷う保護者は少なくありません。SAPIXは授業の進み方が速く、家庭学習の量も多いため、どこかで立ち止まって考える家庭も多い塾です。
結論から言うと、やめるか迷ったときは、すぐに結論を出さないことが大切です。まずは親子で話し合い、つらさの原因が何なのかを一緒に探します。原因によっては、塾を変えなくても、家庭学習の進め方や先生への相談で解決できることもあります。そのうえで、期限を決めて試し、それでも難しければ別の道を考える。この順番で進めると、続ける場合も、やめる場合も、子どもが納得して次に進めます。
この記事でわかること
- SAPIXをやめるか迷ったときに親子で話し合いたい4つのサイン
- 親子の話し合いの進め方と、やめる前に試したいこと
- 続ける・やめるの判断基準
親子で話し合いたい4つのサイン

サイン1:受験や塾への意欲が落ちている
塾の話をすると黙りこむ、行く前になるとお腹が痛いと言う、テストの結果を見せたがらない。こうした様子が続くときは、気持ちの面で疲れているサインかもしれません。もともと受験に前向きでなかった子どもだけでなく、がんばり続けてきた子どもが急に意欲をなくすこともあります。
サイン2:授業のペースについていけない
授業の復習が終わらず、毎晩寝る時間が遅くなっている。テストで分からない問題が増え、手をつけられない宿題がたまっている。授業の進み方に理解が追いついていないと、がんばっても成果が出ない状態が続き、自信をなくしてしまいます。
サイン3:集団授業になじめない
SAPIXは集団授業です。授業中に分からないところがあっても質問できない、周りのスピードに圧倒されてしまう、という子どももいます。一人でじっくり考えたいタイプの子どもにとっては、集団授業そのものが負担になっていることがあります。
サイン4:学校や家庭の生活と両立できていない
学校の宿題や行事、習い事、家族の時間。塾の勉強が生活の大部分を占め、ほかのことにまったく手が回らなくなっている場合も、立ち止まって考えたいサインです。親の側が、送り迎えや丸つけで限界を感じていることもあります。
ただし、これらのサインがあるからといって、必ずしもやめるべきだというわけではありません。どの子どもにも、調子の良い時期と悪い時期があります。大切なのは、サインに気づいたときに、早めに話し合いの時間をとることです。
親子の話し合いの進め方

ステップ1:子どもの気持ちを最後まで聞く
話し合いでいちばん大切なのは、子どもの気持ちを最後まで聞くことです。「なんでがんばれないの」「ここまで続けてきたのに」と、親の気持ちを先に伝えてしまうと、子どもは本音を話せなくなります。まずは、「最近、塾はどう?」と軽く聞き、子どもが話し始めたら、途中で口をはさまずに聞きましょう。
ステップ2:つらさの原因を分ける
子どもの話を聞いたら、つらさの原因がどこにあるのかを一緒に整理します。宿題の量が多すぎるのか、授業の内容が難しいのか、クラスの友だちや先生との関係なのか、それとも受験そのものに気持ちが向いていないのか。原因によって、とるべき対策はまったく変わります。
ステップ3:試すことと期限を決める
原因が見えてきたら、すぐに「やめる」「続ける」を決めるのではなく、試してみることを1つか2つ決めます。たとえば、宿題の量が原因なら優先順位をつけて減らす、授業の内容が原因なら先生に質問の時間をもらう、といったことです。あわせて、「次のテストまで」「夏休みが始まるまで」など、試す期限も決めておきましょう。
ステップ4:期限が来たらもう一度話す
期限が来たら、もう一度親子で話し合います。試してみてどうだったか、気持ちに変化はあったか。少しでも楽になったなら続ける、変わらなければ別の方法を考える、というように、そのときの様子をもとに判断します。
やめる前に試したいこと
つらさの原因が宿題の量や家庭学習の進め方にある場合は、塾を変えなくても改善できることがあります。すべての宿題を完璧にこなそうとせず、基本の問題を優先して取り組む。分からない問題に時間をかけすぎず、印をつけて先生に質問する。こうした工夫で、家庭学習の負担はずいぶん軽くなります。
また、通っている校舎の先生に相談するのもおすすめです。家庭での様子を伝えると、宿題の取り組み方や、クラスでの様子について助言をもらえることがあります。先生も、子どもが前向きに通えることを望んでいます。
▶ SAPIXの宿題を親子げんかなしで進める方法はこちら:SAPIXを辞める理由2
続ける・やめるの判断基準
試してみても状況が変わらないときは、ほかの塾や学び方を考えるタイミングかもしれません。判断の目安になるのは、次のような点です。子ども自身が「別の塾で、自分のペースでがんばりたい」と話しているか。体調や睡眠に影響が出ていないか。家庭の生活が回らない状態が長く続いていないか。
反対に、子どもが「つらいけど、このクラスでがんばりたい」と話しているなら、量の調整や先生への相談をしながら続ける選択もあります。続けるにしても、やめるにしても、子どもが自分の気持ちを話し、納得して決めたかどうかが、その後のがんばりを大きく左右します。
塾をやめることは、中学受験をあきらめることではありません。個別指導や少人数の塾、家庭学習を中心にした進め方など、子どもに合う学び方はほかにもあります。大切なのは、塾の名前ではなく、子どもが前向きに学べる環境を選ぶことです。
よくある質問
Q. 小6の途中でやめても大丈夫ですか?
A. 小6では入試までの時間が限られるため、移った先で何を学ぶのかを具体的に決めてから判断しましょう。志望校の過去問対策をどこで進めるかも、あわせて考えておくと安心です。
Q. 子どもがやめたいと言っても、親は続けてほしいと思っています。
A. まずは子どもの理由を最後まで聞いてください。そのうえで、親の思いも伝え、期限を決めて試す形にすると、親子で納得して判断しやすくなります。
判断する前の5つのチェック
- □ 子どもの気持ちを最後まで聞いた
- □ つらい原因を量・内容・人間関係に分けた
- □ 塾の先生に相談した
- □ 家庭学習の量や優先順位を見直した
- □ 期限を決めて試してから判断した

まとめ:迷ったときこそ、親子で話す時間を
SAPIXをやめるか迷ったときは、すぐに結論を出さず、まずは子どもの気持ちを聞くことから始めましょう。つらさの原因を分け、試すことと期限を決め、期限が来たらもう一度話し合う。この順番で進めれば、続ける場合も、やめる場合も、子どもが納得して次に進めます。
迷っている今が、子どもの本音を知るよい機会です。今日の夕食のあと、「最近、塾はどう?」と聞いてみてください。
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