テストで1問間違えただけで泣き出してしまう。クラスが下がると何日も落ちこむ。負けず嫌いで、何でも完璧にやりたい子どもを持つ保護者なら、こんな場面に心当たりがあるかもしれません。テストやクラス分けが多い大手の中学受験塾では、こうした子どもが苦しくなりやすい場面が何度も訪れます。
結論から言うと、負けず嫌いや完璧主義は、決して悪い性格ではありません。がんばりたい気持ちが強いからこそ、思うような結果が出ないときに大きく揺れるのです。家庭でできるのは、結果の直後は気持ちを受け止め、落ち着いてから一緒に原因を見ること、そして点数より取り組んだ過程に目を向けることです。こうした関わりで、「間違えても大丈夫」という安心感が育ち、難しい問題にも挑戦できるようになっていきます。
この記事でわかること
- 負けず嫌い・完璧主義の子が塾で苦しくなっているサイン
- テストの結果が出た日の声かけ4ステップ
- 家庭でできる支え方と、塾の先生への相談のしかた
苦しくなっているサイン


サイン1:間違いを極端に嫌がる
丸つけをした問題を親に見せたがらない、答えを写してしまう、バツをつけられるのを嫌がって自分で丸をつけたがる。こうした行動は、間違えることへの怖さの表れかもしれません。間違いを隠すようになると、どこが分かっていないのかが見えなくなり、成績にも影響します。
サイン2:結果を見て感情が爆発する
テストの結果を見て泣き出す、怒って物に当たる、「もう塾に行かない」と言い出す。結果が出るたびに感情が大きく揺れるときは、点数やクラスが子どもの自信のすべてになってしまっているサインです。
サイン3:できない問題を避けるようになる
難しい問題に手をつけず白紙にする、得意な単元ばかり勉強する。失敗したくない気持ちが強くなると、挑戦すること自体を避けるようになります。中学受験では、分からない問題に粘り強く向き合う力が大切なので、このサインは早めに気づいてあげたいところです。
テストの結果が出た日の声かけ4ステップ


ステップ1:気持ちを受け止める
結果が思わしくなかったとき、子どもがいちばん聞きたくないのは「だから言ったでしょ」「なんでこんな問題を間違えたの」という言葉です。まずは「悔しいね」「がんばったのにね」と、子どもの気持ちをそのまま受け止めましょう。気持ちを分かってもらえたと感じると、子どもは少しずつ落ち着いていきます。
ステップ2:その日は少し時間をおく
結果が出た日にすぐ間違い直しや分析を始めると、子どもは責められているように感じてしまいます。その日はおいしいものを食べる、早めに寝るなど、気持ちを切りかえる時間にしましょう。
ステップ3:翌日に一緒に原因を見る
気持ちが落ち着いたら、翌日以降に一緒にテストを見直します。このとき、「どこがだめだったか」ではなく、「どこまではできていたか」から見るのがコツです。できていた部分を確かめてから、間違えた問題の原因を一緒に考えましょう。
ステップ4:次にやることを1つだけ決める
原因が見えたら、次のテストまでにやることを1つだけ決めます。「計算問題は見直しをする」「この単元の基本問題をもう一度解く」など、小さくて具体的な目標にするのがポイントです。完璧主義の子どもは、目標をたくさん立てすぎて、達成できずにまた落ちこむことがあります。
家庭でできる支え方
ふだんの声かけでは、点数より、取り組んだ過程に目を向けましょう。「毎日計算を続けたね」「難しい問題に最後まで挑戦したね」と、努力や工夫を具体的にほめると、子どもは結果だけが評価されているわけではないと感じられます。
間違えた問題を直せたときも、大きなチャンスです。「間違えたところが分かって、直せたね。これで1つ強くなったね」と声をかけると、間違いは悪いものではなく、伸びるためのきっかけだと伝わります。
また、勉強以外で好きなことに取り組む時間も大切にしましょう。スポーツや音楽、工作など、点数に関係なく楽しめる時間があると、テストの結果だけで自分の価値を決めずにすみます。
塾の先生に相談するときのポイント
家庭での様子が心配なときは、塾の先生に相談してみましょう。「テストの結果が出ると泣いてしまう」「難しい問題を避けるようになった」など、家庭での具体的な様子を伝えると、先生も授業中の声かけを工夫してくれることがあります。
相談するときは、「どうすればいいですか」と答えを求めるだけでなく、塾での様子も聞いてみましょう。家庭とは違う一面を知ることで、子どもへの関わり方のヒントが見つかることがあります。それでも苦しさが続く場合は、塾の続け方そのものを親子で話し合うことも考えてみてください。
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親自身の気持ちの整え方
子どもがテストのたびに落ちこむ姿を見ていると、親もつらくなります。「このままで大丈夫だろうか」「もっと勉強させた方がいいのでは」と、親の方が焦ってしまうことも少なくありません。ですが、親の焦りは、言葉にしなくても子どもに伝わります。
親が気持ちを整えるためには、1回のテストではなく、数か月単位の流れで子どもの成長を見ることが役立ちます。3か月前のテストと比べて、できるようになった単元はあるか、間違い直しの習慣はついてきたか。少し引いた目で見ると、子どもが確実に前に進んでいることに気づけます。
配偶者や祖父母、同じ受験をしている友人など、気持ちを話せる相手を持っておくことも大切です。親が一人で抱えこまないことが、結果的に子どもの安心につながります。
よくある質問
Q. 負けず嫌いな性格は直した方がいいですか?
A. 直す必要はありません。負けず嫌いは、がんばる力の源にもなります。大切なのは、思うような結果が出なかったときに、気持ちを立て直す方法を家庭で一緒に身につけていくことです。
Q. 親もつい結果に一喜一憂してしまいます。
A. 親も人間なので、気持ちが揺れるのは自然なことです。結果を見た直後は言葉を少なめにして、子どもの前で大きく反応しないことを意識するだけでも違います。
家庭の支え方5つのチェック
- □ 点数より取り組んだ過程に声をかけた
- □ 間違いを責めず、直せたことをほめた
- □ 結果の日は分析を翌日に回した
- □ 勉強以外で好きなことをする時間がある
- □ 塾の先生に家庭での様子を伝えた


小6の11月〜入試直前にこの記事を使うなら
入試が近づくと、完璧主義の子ほど過去問の1問の失点を重く受け止めがちです。この時期は「合格最低点を超えればいい」という見方を親子で共有しておくと、本番で1問つまずいても立て直しやすくなります。
まとめ:「間違えても大丈夫」と伝わる家庭に
負けず嫌いや完璧主義の子どもは、がんばりたい気持ちが強い分、テストやクラス分けの多い塾で苦しくなることがあります。結果の直後は気持ちを受け止め、落ち着いてから一緒に原因を見て、次にやることを1つだけ決める。この関わりを続けることで、子どもは失敗を怖がらずに挑戦できるようになっていきます。
次のテストの結果が出た日は、まず「悔しいね」と声をかけるところから始めてみてください。
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