中高一貫校に入学すると、授業の進み方の速さに驚く子も少なくありません。中学受験を乗りこえて入学したのに、学校の勉強についていくだけで精一杯、ということもあります。
一方で、鉄緑会のように、学校よりもさらに速いペースで先取りを進める塾もあります。この記事では、こうした先取りの塾に合う子の特徴と、学校の勉強で精一杯なときに学校を優先する考え方、自分を律する力の育て方を紹介します。
この記事でわかること
- 先取りの塾に合う子の3つの特徴
- 学校を優先する4ステップ
- 自分を律する力の育て方
先取りの塾に合う子の3つの特徴


特徴1:自分を律することができる
鉄緑会に合うのは、主体的に、自分を律することができる生徒だと言われます。先取りの内容に慣れ、身につけていくためには、言われる前に自分から机に向かう姿勢が大切です。
特徴2:先取りの内容を身につけられる
先取りの塾では、学校で習う前の内容を学びます。初めて見る内容を授業で理解し、宿題で定着させる力が必要です。自分から学ぶ努力に加えて、先の内容を理解して身につける力も求められます。
特徴3:学校の勉強に余裕がある
塾の進み方は、学校よりもさらに速いことがあります。学校の勉強に追いつくのがやっと、という状態で先取りの塾に通うと、どちらも中途半端になってしまうことがあります。
3つの特徴を、家での様子から確かめる
3つの特徴は、ふだんの家での様子からも、ある程度確かめることができます。次の表で当てはまるものが多いほど、先取りの塾のペースにも合わせやすいと考えられます。
| 特徴 | 家で見られる様子の例 |
|---|---|
| 自分を律することができる | 声をかけなくても、決めた時間に机に向かえる |
| 先取りの内容を身につけられる | 初めての内容でも、教科書を読んで自分で例題を解ける |
| 学校の勉強に余裕がある | 定期テスト前に、あわてて徹夜のような勉強をしていない |
当てはまらないものがあっても、それだけで向いていないと決める必要はありません。今は当てはまらなくても、学年が上がるにつれて身についていく力でもあります。大切なのは、今の状態をそのまま見て、無理のない時期を選ぶことです。
学校の勉強で精一杯なときは
自分で学習を進める習慣がまだ身についていない場合や、学校の勉強に追いつくのがやっとの場合は、先取りの塾は厳しいかもしれません。その場合は、まず学校の勉強に専念するか、自分のペースに合う別の塾を考えることも選択肢です。
学校の勉強に専念することは、決して遠回りではありません。中高一貫校の授業は、大学受験を見すえて組み立てられていることが多く、学校の授業をしっかり理解することが、大学受験の土台になります。
学校を優先する4ステップ


ステップ1:定期テストを見る
まずは、定期テストの結果を見て、どの教科で苦戦しているのかを確認します。点数だけでなく、どの単元で点を落としているのかを見ましょう。
ステップ2:授業の復習をその日のうちに
授業の進みが速いので、その日の授業の内容は、その日のうちに復習する習慣をつけます。短い時間でも、ノートを見直すだけで理解が定着しやすくなります。
ステップ3:提出物をそろえる
学校の課題や提出物を期限内に出すことも大切です。提出物がたまると、それだけで気持ちに余裕がなくなってしまいます。
ステップ4:余裕ができたら塾を考える
学校の勉強が安定し、気持ちと時間に余裕ができたら、あらためて塾を考えましょう。そのときには、自分で勉強を進める力も少しずつついているはずです。
1週間の勉強時間の組み立て例
中高一貫校の授業についていくことを優先する場合、平日の勉強は次のような組み立てが1つの目安になります。部活動がある日とない日で分けて考えると、無理なく続けやすくなります。
| 曜日のタイプ | 授業の復習 | 課題・提出物 | 苦手の補強 |
|---|---|---|---|
| 部活動がある日 | 20分 | 30分 | なし |
| 部活動がない日 | 30分 | 30分 | 30分 |
| 土日 | 1週間分の見直し60分 | 残った課題 | 苦手単元を1つ |
このくらいの時間で回るようになれば、学校の勉強は安定してきていると考えられます。1週間の予定を手帳やアプリに書き出し、終わったら印をつけていくと、自分を律する力の練習にもなります。
▶ 鉄緑会で伸びる子、苦しくなる子についてはこちら:鉄緑会で伸びる子、苦しくなる子|自分から学ぶ習慣の作り方と、合わないと感じたときの選択肢
中学に入ってすぐの時期に気をつけたいこと
中学受験が終わった直後は、ほっとして勉強のペースが落ちやすい時期です。ところが、中高一貫校の授業は入学直後から速く進むことも多く、最初の定期テストで思うような結果が出ずに驚くこともあります。
入学してすぐの時期は、新しい環境に慣れることと、学校の授業についていくことを最優先にしましょう。部活動や友だち関係など、勉強以外にも新しいことがたくさんあります。最初から塾を増やすより、まずは学校生活のリズムを作ることが大切です。
最初の定期テストが終わったら、結果を親子で振り返り、学校の勉強に余裕があるかどうかを確かめます。余裕があれば塾を考え、余裕がなければ学校の勉強の進め方を見直す、という順番で考えると、無理のない判断ができます。
また、学校の先生に相談することも大切です。授業についていくのが大変なときは、どんな勉強の進め方がよいか、学校の先生に聞いてみましょう。学校の授業を一番よく知っているのは学校の先生です。
自分を律する力の育て方
自分を律する力は、生まれつきのものではなく、少しずつ育てていけるものです。毎日決まった時間に勉強を始める、やることを書き出して終わったら印をつける、といった小さな習慣から始めましょう。
親は、できたことを認め、うまくいかなかったときは一緒に原因を考える役割を担います。中学生になったら、親が管理する部分を少しずつ減らし、子ども自身にまかせる部分を増やしていくのが理想です。
先取りの塾を選ばない場合の選択肢
学校の勉強を優先すると決めた場合も、塾をまったく使わないとは限りません。子どもの状態に合わせて、次のような選択肢があります。
- 学校の授業の補習をしてくれる個別指導や、学校別の対策をする塾
- 苦手な1科目だけを受講する
- 長期休みの講習だけを利用する
- 学校の補習や質問の時間を積極的に使う
どの選択肢を選ぶにしても、目的は「学校の授業を理解して、自分で勉強を進められるようになること」です。塾に通うこと自体が目的にならないように、半年ごとに、続けるかどうかを親子で見直すとよいでしょう。
よくある質問
Q. 指定校に入学したら、鉄緑会に入塾した方がよいですか?
A. 入塾するかどうかは、子どもの性格や学校の勉強の状況を見て判断するのがおすすめです。テストなしで入塾できる時期は限られているので、時期だけは早めに確認しておきましょう。
Q. 学校の勉強に専念すると、大学受験で不利になりませんか?
A. 学校の授業をしっかり理解することは、大学受験の土台になります。学校の勉強が安定してから、塾や自分での学習を加えていけば十分です。
Q. 塾に通う友だちが多くて、子どもが焦っています。
A. 周りが通っているかどうかより、自分の学校の勉強がどのくらい安定しているかが大切だと伝えましょう。学校の勉強が安定すれば、塾はいつからでも考えられます。
Q. 先取りの塾に入ったものの、ついていけなくなったらどうすればよいですか?
A. まずは学校の定期テストの結果を確認し、学校の勉強にも影響が出ているかを見ます。影響が出ているなら、受講科目を減らす、一度休むといった選択も考えましょう。
塾を考える5つのチェック
- □ 学校の定期テストが安定している
- □ 学校の課題を期限内に出せている
- □ 自分で勉強の予定を立てられる
- □ 睡眠時間を確保できている
- □ 子ども自身が塾に行きたいと思っている


まとめ:学校の勉強を土台に、塾は余裕ができてから
鉄緑会のような先取りの塾に合うのは、自分を律することができ、先取りの内容を身につけられ、学校の勉強に余裕がある子です。学校の勉強で精一杯なときは、まず学校を優先し、定期テストの振り返り、授業の復習、提出物を大切にしましょう。余裕ができてから塾を考えても遅くはありません。
まずは、次の定期テストに向けて、毎日の授業の復習を10分から始めてみてください。
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