2025年3月2日、渋谷で開かれた早稲田アカデミーの「中学入試報告会」に参加してきました。2025年度の中学入試をふり返り、受験の動向や4教科の出題傾向、これからの学習のポイントが紹介された会です。
結論から言うと、2025年度の入試は、受験者が多い状態が続く中で入試の形が多様になり、どの教科でも「基礎の上に、その場で考える力」が求められていた、というのが報告会の大きなメッセージでした。この記事では、報告会の内容を整理したうえで、これから受験する家庭が今も生かせるポイントを紹介します。なお、ここで紹介する数字は報告会での説明によるもので、年度ごとに変わります。最新の傾向は「2026年度入試の傾向」の記事もあわせてご覧ください。
▶ 2026年度入試の傾向はこちら:【2026年度中学受験】入試分析から見えた最新傾向|学校選び・4科目対策・親の関わり方
この記事でわかること
- 2025年度中学入試の全体像と、学校選びを「6年間」で見る考え方
- 4教科の出題傾向と、家庭でできること
- 入試報告会の内容を家庭で生かす4つのこと
2025年度入試の全体像
受験率は高い水準が続く
報告会では、2025年度の一都三県の中学受験率は15.2%で、過去30年で最も高い数字だったと説明がありました。2月1日の入試では、多くの学校で募集定員を上回る受験者が集まったそうです。
出願校数が増え、入試の形も多様に
塾生1人あたりの出願校数は平均8校、実際に受けた学校は平均6校だったとのことです。出願校数が増えた背景には、午後入試の定着や、英語入試、プログラミング入試など、入試の形が多様になっていることがあると紹介されました。得意な教科や適性に合わせて、入試の方式を選ぶ傾向が強まっています。
地域ごとの動き
東京では、男子校や共学校で受験者を増やした学校があり、女子校では算数や英語資格を使う入試を取り入れた学校で受験者が増えたという説明がありました。神奈川では受験者数が約3%減り、東京都の私立中学校の授業料の支援の影響が考えられるとのことでした。埼玉では1月入試が活発で、県外からの「お試し受験」が多いことも特徴として挙げられていました。千葉は、東京からのアクセスがよい地域の家庭にとっても、大切な選択肢になっています。
学校選びは偏差値だけでなく「6年間」で見る
報告会で印象に残ったのが、学校選びについての話です。思春期の6年間をどこで過ごすかは、その後の人生に大きく影響します。偏差値や大学の合格実績だけでなく、子どもがその学校で6年間を楽しく、充実して過ごせるかを大切にしてほしい、という話がありました。
学校の方針と家庭の教育方針、そして何より子ども自身の希望が重なる学校を選ぶこと。数字が並ぶ報告会の中で、この話がいちばん心に残ったという保護者も多かったのではないでしょうか。
4教科の出題傾向と家庭でできること

国語:新しい作品と、複数の文章を読む問題
2025年度の国語では、直近2年以内に発表された作品からの出題が目立ったそうです。初めて出会う文章を読み解く力が試されているということです。また、複数の文章を読み比べる問題や、表や図を使う問題は、すでに定番になっていると説明がありました。
家庭でできるのは、ことばを増やすことです。中学入試の国語は「読む」と「解く」がおよそ7対3と言われ、まず本文を正確に読む力が土台になります。子どもが知らない言葉に出会ったら辞書で調べる、大人がふだんから少し背伸びした言葉を使う。同調圧力やジェンダーなど、今の社会で話題になっている言葉にも、日ごろから触れておきたいところです。
算数:取り組みやすい問題と、書かせる問題
算数は、極端に難しい問題を出す学校は少なく、全体として取り組みやすい問題が多かったそうです。一方で、答えだけでなく、考え方や式、作図、理由を書かせる問題が増えていると紹介されました。立体図形の難しい問題が女子校でも出るようになったこと、立体図形と速さは差がつきやすい分野であることも話がありました。
家庭では、典型的な問題を短い時間で正確に解けるようにすることが基本です。小6の夏までにふだんのテキストで知識と解き方を固め、9月以降は過去問などの演習を増やしていく。表やグラフに整理しながら考える練習を重ねると、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
社会:今の世界を映す問題
社会では、戦争や紛争、経済や政治など、世界の情勢を映した出題が目立ったそうです。グラフを多く使い、その場で資料を読んで考える、情報量の多い問題が増えていると説明がありました。2025年は第二次世界大戦の終結から80年、昭和の始まりから100年の節目の年に当たることにも触れられていました。
家庭では、ニュースを家族で見て、意見を出し合うことが役に立ちます。いろいろな見方がある話題ほど、「あなたはどう思う?」と聞いてみると、多角的に考える練習になります。
理科:身近な現象と自然災害
理科では、観測史上最も暑かった2024年の夏を受けて、猛暑をテーマにした問題が多く見られたそうです。自然災害は、時事のテーマとしてすっかり定番になっています。家にあるものや身近な現象を取り上げた問題、これまでにない切り口の問題も増えていると紹介されました。
ただ、目新しく見える問題も、基本の知識と解き方が身についていれば、データや図を読み解いて答えられるものが多いという話でした。まずは基礎を早めに固め、そのうえで新しい傾向や時事の問題に取り組むのが近道です。地震やハザードマップについて家族で話しておくと、受験だけでなく防災の意識にもつながります。
報告会から家庭で生かす4つのこと

報告会の内容をふり返ると、家庭で生かせることは4つにまとめられます。1つ目は、ことばを増やすこと。2つ目は、ニュースを家族で話すこと。3つ目は、小6の夏までに基礎を固め、秋から演習に移ること。そして4つ目は、偏差値だけでなく、6年間を楽しく過ごせるかで学校を見ることです。
どれも特別な教材がなくても、今日から始められることばかりです。塾の授業と家庭の会話がつながると、入試で求められる「その場で考える力」は少しずつ育っていきます。
よくある質問
Q. 入試報告会には参加した方がいいですか?
A. その年の入試の動きを知るよい機会です。低学年のうちに一度参加しておくと、受験の全体像がつかみやすくなります。ただし、数字は毎年変わるので、最新の情報もあわせて確かめてください。
Q. 時事問題の対策はいつから始めればいいですか?
A. 特別な対策より、ふだんからニュースを家族で話す習慣が土台になります。小6の秋以降は、塾の時事問題の教材なども活用するとよいでしょう。
入試報告会を生かす5つのチェック
- □ 家で少し背伸びした言葉を使った
- □ 週に1回ニュースを家族で話した
- □ 算数の典型題を時間を計って解いた
- □ 防災や天気の話題を親子で話した
- □ 学校を6年間の過ごしやすさで見た

まとめ:基礎の上に、考える力を育てる
2025年度の中学入試報告会では、受験者が多い状態が続く中で入試が多様になり、どの教科でも基礎の上に「その場で考える力」が求められていることが紹介されました。家庭では、ことばを増やし、ニュースを話し、基礎を早めに固めることが大切です。
そして学校選びは、偏差値だけでなく、子どもが6年間を前向きに過ごせるかで考えたいものです。まずは今週、家族でニュースを1つ選んで話してみましょう。
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