計算ミスがまた増えてきたら|「ケアレスミス」か「理解不足」かを見分ける方法と、つまずき別の対策

毎日の計算練習を続けて、ようやくミスが減ってきた。そう思っていたのに、学年が上がって計算が難しくなると、またミスで点を落とすようになった。中学受験の算数では、こうした「ミスの再発」がよく起こります。

わが家の息子も、算数のケアレスミスが多い時期がありました。毎日、百ます計算に取り組んだところ、一時期はミスが減りました。ところが、分数や小数のまじった計算、文章題の中の計算と、問題が難しくなるにつれて、またミスによる失点が増えてきたのです。

結論から言うと、ミスがまた増えてきたときは、まず「本当にケアレスミスなのか、それとも理解が足りていないのか」を見分けることが大切です。そのうえで、問題を読む、式を立てる、途中の計算をする、答えを書く、のどの段階で間違えているのかを探すと、とるべき対策がはっきりします。この記事では、その見分け方と、つまずいている段階ごとの対策を紹介します。

この記事でわかること

  • 計算ミスが「ケアレスミス」か「理解不足」かを見分ける3つの質問
  • つまずきの段階を探す4ステップと、原因に合った対策
  • ミスの記録のつけ方
目次

「計算の間違い=ケアレスミス」と決めつけない

子どもが簡単な計算を間違えると、親はつい「なんでこんな問題を間違えるの」と言ってしまいがちです。ですが、怒っても、ミスはなかなか減りません。それどころか、子どもは間違いを隠すようになり、原因がますます見えにくくなります。

大切なのは、「計算問題を間違えた」=「計算ミス」=「ケアレスミス」と、ひとくくりにしないことです。大人にとっては簡単に見える計算でも、子どもは計算の意味を理解できていないことがあります。理解が足りていないのに「ケアレスミス」として片づけてしまうと、同じ間違いがくり返されます。

ミスか理解不足かを見分ける3つの質問

ミスか理解不足かを見分ける3つの質問
ミスか理解不足かを見分ける3つの質問

質問1:時間をおいて、もう一度解けるか

間違えた問題を、少し時間をおいてから、もう一度解かせてみましょう。落ち着いて解けば正解できるなら、うっかりのミスの可能性が高いです。もう一度解いても同じところで間違えるなら、解き方そのものを理解できていない可能性があります。

質問2:式の意味を言葉で説明できるか

「この式は何を計算しているの?」「なぜここで通分するの?」と聞いてみましょう。自分の言葉で説明できるなら、理解はできています。説明できずに黙ってしまう場合は、手順を覚えているだけで、意味まで理解できていないのかもしれません。

質問3:数字を変えた問題も解けるか

同じ形の問題で、数字だけを変えて出してみましょう。数字が変わっても解けるなら、解き方は身についています。数字が変わると解けなくなる場合は、たまたま正解していただけで、まだ定着していないサインです。

つまずきの段階を探す4ステップ

つまずきの段階を探す4ステップ
つまずきの段階を探す4ステップ

ミスの原因を見分けたら、次は、どの段階で間違えているのかを探します。計算の問題でも、答えにたどりつくまでには、いくつもの段階があります。どこかに必ず、つまずいているポイントがあるはずです。

ステップ1:問題文を正しく読めたか

文章題の計算で多いのが、問題文の読み間違いです。「何を求めるのか」を読み落としていたり、条件を1つ見落としていたりすると、計算が正しくても答えは間違いになります。この場合は、問題文の中で必要な情報に線を引き、求めるものに丸をつける習慣をつけましょう。

ステップ2:式を正しく立てられたか

計算の順番や、式の並べ方で間違えていることもあります。かけ算とたし算がまじった式で、計算の順番を間違える。文章題で、数字を式に当てはめる順番を取りちがえる。この場合は、式を立てる前に、何をどの順番で計算するのかを口に出して確かめる練習が効果的です。

ステップ3:途中の計算は正しいか

筆算の位がずれている、繰り上がりや繰り下がりを忘れている、分数の通分や約分で間違えている。途中の計算のどこで間違えたのかを、子どもと一緒に1行ずつ確かめましょう。繰り上がりや通分など、特定の計算で何度も間違えている場合は、その計算だけを集中して練習します。

ステップ4:答えを正しく書けたか

計算は合っているのに、答えを書くときに間違えることもあります。単位をつけ忘れる、求められている単位に直していない、途中の答えをそのまま書いてしまう、答えの欄に写すときに数字を書き間違える。この場合は、答えを書く前に、問題文の「求めるもの」をもう一度読む習慣をつけましょう。

原因に合った対策を選ぶ

原因が分かれば、対策も変わります。問題文の読み間違いなら、線を引いて情報を整理する練習。式の立て方なら、口に出して順番を確かめる練習。途中の計算なら、苦手な計算だけを集める練習。理解不足なら、テキストの基本に戻って解き方を学び直します。

特定の計算の練習には、百ます計算や市販の計算問題集を使うのも1つの方法です。ただし、わが家の経験からも、単純な計算練習だけでは、難しい計算のミスは防ぎきれません。単純な計算の速さと正確さを保ちながら、間違えた問題の段階を確かめる習慣をあわせて続けることが大切です。

▶ ケアレスミスの6つのタイプ別の直し方はこちら:低・中学年のケアレスミス

ミスの記録をつけると、傾向が見えてくる

つまずきの段階を探すときに役立つのが、ミスの記録です。テストや宿題で間違えた問題について、「どの段階で間違えたか」を1行だけノートに書いておきます。たとえば「通分で分母をかけ忘れた」「単位をcmのまま書いた」といった具合です。

2〜3週間続けると、同じ種類のミスが何度も出てくることに気づきます。ミスの傾向が分かれば、テストのときに「自分は通分で間違えやすいから、ここは丁寧に」と、気をつけるポイントを子ども自身が意識できるようになります。親が注意するより、子どもが自分で気づく方が、ミスは確実に減っていきます。

よくある質問

Q. 見直しをしなさいと言っても、見直しをしません。

A. 「見直しをする」だけでは、何をすればいいのか子どもには分かりにくいです。「単位を確かめる」「求めるものをもう一度読む」など、見直すポイントを1つか2つに絞って伝えましょう。

Q. ミスをなくすことはできますか?

A. ミスを完全になくすことは、大人でも難しいです。目標は、ミスをゼロにすることではなく、原因を知って、同じミスをくり返さないことです。

ミスの原因を探す5つのチェック

  • □ 時間をおいて同じ問題を解き直した
  • □ 式の意味を言葉で説明してもらった
  • □ 数字を変えた問題も解けるか試した
  • □ どの段階で間違えたかを書き出した
  • □ 原因に合った練習を1つだけ決めた
ミスの原因を探す5つのチェック
ミスの原因を探す5つのチェック

小6の11月〜入試直前にこの記事を使うなら

直前期に計算ミスが増えたら、まず3つの質問でミスか理解不足かを分けてください。ミスなら見直しの手順を1つ足し、理解不足ならその単元の基本問題を数問だけ解き直す。対策をしぼるほうが、残りの時間を有効に使えます。

まとめ:ミスを責めず、原因を見分ける

計算ミスがまた増えてきたときは、まず本当にケアレスミスなのか、理解不足なのかを見分けましょう。そのうえで、問題文を読む、式を立てる、途中の計算をする、答えを書く、のどの段階で間違えたのかを探すと、とるべき対策がはっきりします。

次のテストが返ってきたら、間違えた問題を1つ選び、「どの段階で間違えたか」を子どもと一緒に探すところから始めてみてください。

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