模試の結果が返ってくると、点数や判定に目がいき、親子の会話が短くなったり、重くなったりしがちです。とくに結果が悪かった日は、子どもの顔を見るより先に成績表を見てしまい、気づけば「なんでこんな点なの?」と口にしている。そんな経験がある保護者も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、模試の結果が返ってきた日は、話す順番を決めておくことが何より大切です。気持ちを聞く、できた1問を見つける、間違いを3つの理由に分ける、次に試すことを1つ決める。この4つの順番を家庭で持っておくと、結果に振り回されず、答案を次の学習につなげられます。
この記事では、4つの順番の具体的な聞き方、言い換えたい声かけ、話したがらない日の過ごし方、親自身の気持ちの整え方を紹介します。
模試の答案は「評価の紙」ではない
模試の結果は、子どもの価値や合否を決めるものではありません。今の学習のどこがうまくいっていて、どこを直せばいいかを教えてくれる材料です。ところが結果が悪いと、親も子もその数字を「評価」として受け取ってしまい、会話がぎくしゃくします。
だからこそ、結果の日の会話の目的を「反省会」ではなく「次の1つを決めること」に置き直します。目的が決まると、言うべきことと言わなくていいことが自然に分かれてきます。
模試の後に親子で話す4つの順番
順番1:最初は気持ちを聞く
成績表を開く前に、「今、どんな気持ち?」と聞いてみてください。「どうだった?」と聞くと、子どもは結果を報告しなければいけないと感じますが、気持ちを聞かれると、自分の言葉で話し始めやすくなります。
子どもが「悔しい」「ほっとした」「よく分からない」と答えたら、その言葉をすぐに正そうとせず、「そうか、悔しかったんだね」と受けとめます。話したくない様子なら、無理に聞き出さず、「週末に一緒に答案を見よう」と時間だけ決めておけば十分です。
順番2:点数より先に、できた1問を見つける
答案を見るときは、間違いからではなく、正解した問題から見ます。「この問題はどうやって解いたの?」と聞き、知識を思い出せたのか、図を描けたのか、条件に線を引けたのかを確かめます。できた理由が分かると、次の模試でも同じ行動をくり返せます。
点数が低い日ほど、この順番が効きます。答案の中にも、ちゃんと力が残っていることを親子で確かめられるからです。
順番3:間違いを3つの理由に分ける
次に、間違えた問題を3つの理由に分けます。知識が足りなかった問題、途中で考えが止まった問題、時間不足や読み違いで落とした問題です。同じ×でも、理由によって次に戻る場所が違います。
ここで全問を直そうとする必要はありません。今週の塾の授業とつながる問題や、前回の模試でも同じ理由で間違えている問題を2〜3問選ぶだけで十分です。解き方を親が説明する前に、「どこまで考えた?」と聞き、子どもが止まった場所を一緒に確かめます。
順番4:次に試すことを1つだけ決める
最後に、次の模試やテストで試すことを1つだけ決めます。「国語は根拠に線を引く」「算数は大問ごとに時計を見る」のように、試験中に思い出せる短い言葉にするのがコツです。できたことも1つ一緒に書いておくと、振り返りが反省だけで終わりません。

▶ 1週間の復習の進め方はこちら:中学受験 模試の結果を次の1週間へつなげる親子の会話
言い換えたい声かけの例
結果が悪かったとき、親が言いがちな言葉があります。「なんでこんな点なの?」「ちゃんと勉強したの?」「〇〇くんはできてたよ」「このままじゃ受からないよ」。どれも、親の不安から出てくる自然な言葉ですが、子どもには「責められている」としか届かないことが多いものです。
「なんでこんな点なの?」は「どこで時間を使った?」に、「ちゃんと勉強したの?」は「この問題、どこまで考えた?」に言い換えてみてください。ほかの子との比較はせず、前回の自分と比べて「この単元は前より解けているね」と伝えます。「受からない」という言葉は、次の一手を決める会話には役に立たないので、口に出さないと決めておきましょう。

親の気持ちを整えてから話す
結果が悪いと、子ども以上に親が落ちこむこともあります。その気持ちのまま話し始めると、どうしても言葉が強くなります。成績表を受け取ったら、まず親が一人で見て、深呼吸をしてから子どもと話す、というだけでも、会話の空気は変わります。
親の不安は、子どもの前ではなく、夫婦や塾の先生に話しましょう。夫婦で話すときは、どちらかが感情的になったら、もう一方が「今日は事実だけ確かめよう」と声をかける、というルールを決めておくのも一つの方法です。
学年によって声かけの重みを変える
小4・小5の模試は、受験本番までまだ時間があり、成績も大きく動きます。この時期は、点数や判定より「どんな問題で間違えやすいか」というくせを見つけることに重点を置きます。会話も、順番2の「できた1問」を長めにとり、勉強の楽しさを守ることを優先してかまいません。
小6の秋以降は、志望校の判定や偏差値が気になり、親の言葉もつい重くなります。だからこそ、順番4の「次の1つ」をより具体的にすることが大切です。「次の模試では、算数の大問1と2を10分以内に終える」のように、行動の形で決めておくと、結果への不安が、次にやることへの集中に変わっていきます。
話したがらない日の過ごし方
子どもが模試の話をしたがらない日もあります。そんなときは、無理に4つの順番を進めず、成績表をいったんしまっておきましょう。翌日以降に「土曜日の夕方に10分だけ一緒に見ようか」と、時間だけ約束しておくのがおすすめです。
話したくない気持ちの裏には、親をがっかりさせたくない、という思いがあることも少なくありません。「結果がどうでも、あなたが頑張ったことは知っているよ」と一言伝えるだけで、次に話すときの空気がやわらかくなります。
10分で終えるのがちょうどいい
模試の結果についての会話は、10分くらいで終えるのがおすすめです。長く話すほど、子どもは責められているように感じ、親も言わなくていいことまで言ってしまいがちです。4つの順番を1つずつ、短く進めて、最後に決めた1つを紙に書いたら終わりにします。
その日は、夕食で好きなものを出したり、早めに寝かせたりと、結果とは関係のない時間を大切にしてください。模試の翌日も、いつもどおりの生活に戻ることが、次の勉強への一番の近道です。
よくある質問
Q. 結果がよかったときは、どう声をかければいいですか?
A. 「よく頑張ったね」に加えて、「この問題はどうやって解いたの?」とできた理由を聞いてみてください。うまくいった行動を言葉にしておくと、次も同じようにできます。
Q. 子どもが泣いてしまいました。
A. その日は答案の話はせず、気持ちを受けとめることだけに集中してください。悔しくて泣けるのは、それだけ真剣に取り組んだ証拠です。答案を見るのは、落ち着いてからで十分です。
Q. 判定が悪く、志望校を変えるべきか迷います。
A. 1回の模試の判定だけで決める必要はありません。少なくとも3回分の推移や、過去問の得点と合わせて考え、塾の先生にも相談してから判断しましょう。
模試の後の会話で確かめる5つのチェック
- □ 最初に気持ちを聞いた
- □ 点数より先に、できた1問を見た
- □ 間違いを理由で分けた
- □ 次に試すことを1つだけ決めた
- □ 10分くらいで終えた

まとめ:気持ち、できた1問、理由、次の1つ
模試の結果が返ってきた日は、気持ちを聞く、できた1問を見つける、間違いを理由で分ける、次の1つを決める、という順番で話すと、結果に振り回されずに済みます。言い換えたい言葉を前もって決めておけば、結果が悪い日でも落ち着いて向き合えます。
次の模試の結果が返ってきたら、成績表を開く前に「今、どんな気持ち?」と聞くところから始めてみてください。
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