中学受験 算数の組み合わせを表と樹形図で数えもれなく整理する

学校行事のリボンとバッジで組み合わせを考える

場合の数の問題で答えが毎回変わるとき、計算の速さより先に「何を1通りと数えるか」を確かめてみましょう。選ぶ順番を区別する問題と、同じ組を選ぶだけの問題では、同じ数字でも数え方が変わります。この記事では、学校行事のリボンとバッジを例に、実物で組を作る、表で並べる、樹形図で枝を追う、重なりを点検するという順に家庭での復習を考えます。

目次

数え方の前に「1通り」を言葉にする

例えばリボンの色が赤・青・黄の3種類、バッジの形が丸・星の2種類あり、それぞれ1つずつ選ぶとします。この場合の1通りは「リボンの色とバッジの形を組にした完成品」です。赤と丸、赤と星は別の組です。赤と丸を右から見ても左から見ても同じ完成品なので、新しい組として増やしません。最初にこの単位を言葉にできれば、途中の数え間違いを見つけやすくなります。

問題文に「異なる2人へ役割を割り当てる」とあれば、誰が先で誰が後か、どちらの役割かで結果が変わることがあります。「2人を選ぶだけ」なら、名前を入れ替えて書いても同じ組です。公式を思い出す前に、完成した結果を2つ具体的に描き、「これは違う1通りですか」と子どもに聞きます。答えが違う理由を説明できてから一覧へ進むほうが安定します。

選ぶ順番を区別するか確かめる

Aさん・Bさん・Cさんから係を2人選ぶ場合を考えます。係が同じ仕事なら、AさんとBさんの組はBさんとAさんの組と同じです。一方、会長と書記のように役割が違うなら、Aさんが会長でBさんが書記の結果と、逆の結果は別です。「先に選んだ人」という時間の順番と「役割が違う」という結果の違いは分けて考えましょう。順番に数えただけで別の結果になるとは限りません。

まず実物を固定して組を作る

紙に赤・青・黄のリボンを描き、丸・星のバッジを別の小さな紙に描きます。赤を動かさず丸、次に星を合わせ、完成した組を声に出します。赤が終わったら青を固定し、同じ順番で丸と星を合わせます。最後に黄も同様にします。赤の途中で青へ飛ばないことが大切です。固定する条件を変える区切りが、数えもれを防ぐ目印になります。

親が全組を先に並べて見せると、子どもは結果だけを写してしまいます。最初の赤と丸だけを親が一緒に置き、「赤をそのままにすると次は何が作れる?」と尋ねます。子どもが赤と星を作れたら、赤の分を終えた印を付けます。黄まで進んだら、出てきた組を逆向きに指さして確認します。手を動かすのは答え合わせのためではなく、同じ規則を繰り返す感覚を得るためです。

場合を切り替える合図を作る

「赤の2組が終わったので次は青」と声に出すだけでも、別の枝へ移る位置が分かります。途中で青と星を思い付いても、いったん赤を終えてから書きます。自由な思い付きで列挙した答案は、正しい組を含んでいても抜けを点検しにくいものです。順序を決めることは思考を狭める作業ではなく、最後に自分で正しさを確かめるための準備です。

表にすると空欄と重なりが見える

リボンを表の行、バッジを列に置きます。行見出しは赤・青・黄、列見出しは丸・星です。交わるマスに完成した組を1つずつ置けば、マスは3行×2列で6つになります。表は掛け算の答えを飾るためではありません。どの行に空欄があるか、同じ組を2回書いていないかを目で確かめる道具です。

色と形をたて横に置くと、すべての組が見える

表の上端と左端を逆にしても、同じ6通りが現れます。もし数が変わるなら、どこかの組を書き忘れたか、1マスに2組を詰めた可能性があります。子どもが「3×2だから6」とすぐ言ったら、「赤の行には何が入る?」と1行だけ説明してもらいます。式の数字が、実際の選び方の数を表していることを確認します。

表が向く問題と向かない問題

リボンとバッジのように2つの選択を組み合わせる場合は、行と列の表が見やすいでしょう。選択が3段階になり、途中で選べないものが出る問題は、2方向の表だけでは説明しにくくなります。また「同じ色は2度使えない」という条件があれば、各マスを機械的に埋めてはいけません。条件を満たすかをマスごとに点検する必要があります。道具は問題の構造に合わせて選びます。

樹形図では枝を最後まで追う

樹形図は最初の選択から次の選択へ線を分ける図です。赤から丸と星、青から丸と星、黄から丸と星へ枝を伸ばします。端にある完成した組だけを数えると6通りです。途中の「赤」という節目を1通りとして数えないことに注意します。樹形図は複数の段階を順番に追えるため、表とは違う形で抜けを点検できます。

樹形図を描くときは、左端の赤・青・黄の並びを決め、どの色からも丸・星を同じ順に出します。線が交差すると見落としやすいので、枝と枝の間を少し空けます。描き終えたら赤の端を2つ、青を2つ、黄を2つと数え、表の行ごとの数と照合します。答えが一致した理由を「各色でバッジの2形が選べるから」と説明できれば、図と式がつながります。

最初の条件から枝を分け、完成した組だけを数える

途中で選べないものがある場合

例えば赤を選んだときだけ星のバッジを使えないなら、赤の枝には丸だけを描きます。青と黄には丸・星の2つずつがあります。この場合は1+2+2で5通りです。すべての枝が同じ本数ではないので、3×2をそのまま当てはめると違います。子どもには「赤から星へ伸びる線を描かなかった理由」を言ってもらい、条件を図へ反映できたか確認します。

重複を見つける練習を別にする

「3人から2人を選ぶだけ」という問題では、AとB、BとAを別々に書いてしまいがちです。いったんすべて列挙し、入れ替えただけの2組を線で結びます。同じ結果を表すなら片方だけに印を残します。最初から重複を避けようとして手が止まる子には、列挙後の整理から始めるほうが取り組みやすいでしょう。重なりを見つける作業と、抜けを探す作業を分けます。

重複かどうかは、登場するものが同じかだけでは決まりません。会長と書記の役割を分けるならAが会長・Bが書記と、その逆は別の結果です。2人で同じ係を担当するなら同じ組です。図で線を結ぶ前に、問題文の「役割」「位置」「順番」の言葉に戻ります。条件を抜かして暗記した割り算の処理に頼らないことが大切です。

3人から2人を選ぶ表を作る

A・B・Cの3人から同じ役割の係を2人選ぶなら、AとB、AとC、BとCの3組です。表の行と列に3人の名前を置き、同じ名前が交わるマスは「同じ人を2回選べない」ため使いません。残りのマスにはAとB、BとAのような対が現れます。対角線を挟む2マスが同じ組を表すと確かめ、片方だけを数えます。式だけで半分にする前に、なぜ対になっているかを見せる練習です。

役割が異なる場合は、Aを会長、Bを書記にしたマスと、Bを会長、Aを書記にしたマスを両方残します。表の軸に「会長」「書記」を書き添えると、同じ2人でも結果が変わる理由が見えます。最初は数字を使わず名前で確認し、数え方の意味が分かってから人数を増やします。子どもが「この問題ではなぜ半分にしないの?」と説明できれば、異なる条件への応用が進みます。

「少なくとも」の条件を図に加える

「赤または青を少なくとも1つ使う」といった条件が付くと、図の中でどの結果が条件を満たすかを確かめる必要があります。まず制限なしの組を同じ順で並べ、条件を満たさない組に薄い印を付けます。条件を付けた後に新しい組を思い付きで足すと、全体が分からなくなります。問題ごとに「全部を並べてから除く」か「最初から枝を出さない」かを選び、両方の結果が一致するかも確認できます。

家庭で15分だけ試す復習の流れ

最初の3分は問題文を読んで「1通り」を短く言い、結果の例を2つ作ります。次の5分は1つの条件を固定して組を並べ、表か樹形図の片方へ移します。続く4分はもう片方の図で答えを確かめます。最後の3分は、抜けた組と重なった組がないか点検し、気付いたことを1文で残します。時間内に終わらなくても、どこで止まったかが分かれば次の復習につながります。

練習問題は最初から複雑な入試問題でなくても構いません。色と形、飲み物と容器、席と役割のように具体物で結果を想像できる小問を1つ選びます。次に「この組だけ不可」「同じものは使えない」などの条件を1つ追加します。条件が増えたときに前の図のどの枝を消すか説明できるかを見ると、図をただ写していないか分かります。

同じ問題を解き直す日は、前に描いた図をすぐには見せません。白紙に「何を固定したか」「完成した結果はどこか」を先に描いてもらい、最後に元の図と比較します。前回は表で解けたなら今回は樹形図、前回は図だけなら今回は実物カードを並べるなど、表現を変えると理解の穴を見つけやすくなります。ただし表現を増やすこと自体を目的にせず、どの図なら本人が条件を点検しやすいかを選びます。

時間が足りない日は、全部の問題を解き直さず1問の中の1箇所に絞ります。例えば青の枝だけを描き直し、同じ順で2つのバッジを置けるかを確かめます。翌日は赤と黄まで広げます。短く分けても「完成した結果を数える」「前の日と同じ条件を使う」という確認は省きません。量を減らしても点検の動きが残れば、家庭学習を続けやすくなります。

親の声かけは答えではなく点検先へ

答えが違ったとき「掛け算でしょう」と教える前に、「この1マスは何を表す?」「赤の枝は最後まで描いた?」「同じ組を2回数えていない?」と図の場所を示します。子どもが自分で空欄や重なりを見つけられたら、その発見を残します。答えの数字だけを直すより、どの確認が効いたかを覚えておくほうが、別の題材の問題にも使えます。

まとめ

場合の数では、まず何を1通りと数えるか、順番や役割を区別するかを決めます。次に1つの条件を固定し、表か樹形図に同じ順で並べます。最後に空欄と重複を点検し、図の端にある完成した結果を数えます。今日の家庭学習では、3色のリボンと2形のバッジを紙に描き、6つの組を表へ置くところから始めてください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次